子々孫々、長きに渡り語り継がれる古の冒険譚。
クリスペにも脈々と受け継がれる古き遺伝子。
剣と魔法の物語。
皆さんはこのルーツをご存知だろうか?
ファンタジーはJ.R.R.トールキンという英国の文献学者兼軍人というハイスペックおじさんにより幻想文学のサブジャンルとして確立された。
エルフ、ドワーフ、ホビット。そう、トールキンがこの世に生み出した著作【指輪物語】の登場種族である。
ゴブリン、オーク、ドラゴンなどもこの物語に登場する一種族だ。
今日の日本ではファンタジーは幻想文学というよりゲームやラノベの世界と言ったほうがしっくりくるだろう。
しかしながら私に言わせればそのゲームもラノベも結局は同じ背景世界を共有して出来上がっている一種のシェアワールドなのだ。
やれ著作権がどうのと今日日の世の中はすぐにお金と結び付けたがる。ファンタジー的に言うならば、世界は神の創作物であるからして、これに使用料を課す…と?
今日はそんなスケールのお話。
指輪物語をベースに、この世に初めてのRPGが産み落とされることになる。
Dungeons & Dragons(1974年) 通称D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)初版。
全てのRPGはここから始まる。ジャンルはTRPG(テーブルトークRPG)といい、卓を囲み、数人で会話によるゲーム進行とダイスロールによる命中判定等を行う。
D&D初版から種族は人間、エルフ、ドワーフ、ホビットの4種が登場していた。
そして、ゲームの世界はこれをきっかけとして凄まじい進化を遂げることになる。
まずは我々もよく知るデジタルゲームの世界である。
Wizardry(1981年)
私がこの世で最も愛してやまないゲーム。これはD&Dをどうにかして一人でプレイできないものか?という理由から誕生することになった。
マイコン時代。AppleⅡというコンピューター上で描写されるほとんど線と文字のゲーム画面は当時の技術では画期的な代物であった。
今でも定期的に遊んでしまうほどの中毒性があるゲームで、画面から入ってくる情報量は少なくとも線画によるグラフィックは想像力を掻き立て、上級者にもなるとダンジョンの中のジメジメ感や臭気まで感じ取れるようになる。
基本的なゲームシステムはD&Dに準拠しており、後のすべてのRPGに絶大な影響を与えるゲームとなった。この記事をご覧の皆様にはCRPGの始祖を是非とも遊んでいただきたい。
そしてここから派生するRPGに最も有名なこの2作品の名をあげよう。
ファイナルファンタジーとドラゴンクエストである。
ここまできたらお分かりのとおり、今現在でも脈々と続くRPGの遺伝子はかつてJ.R.R.トールキンが作り出したたったひとつの世界から広がったものである。
剣と魔法の物語は多くの人を魅了し、今もなお増え続けている。
D&Dには、実はもう一つ派生した世界観がある。
Magic: The Gathering カードゲームである。
これは直接の派生かと言われると難しいが、D&Dの商標を持っていたウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(Wizards of the Coast LLC)に数学者リチャード・ガーフィールド氏が入社し、作り上げた。後に彼はすべてのTCGの生みの親となる。
このMTGもやはりエルフ、ゴブリン、ドラゴンなど様々な種族が登場し、トールキンの世界観を引き継いでいることがわかる。
そしてその世界観を引き継ぐということは、それは剣と魔法の物語となる。
たったひとつの幻想文学はこうして様々な世界へと派生を続け、今なお人々に愛されている。
クリプトスペルズ。これはデジタルゲームだがTCGだ。
この背景世界にはしっかりと剣と魔法のファンタジーが描写されている。言うまでもなくトールキンの遺産である。
西洋ファンタジーとはこうして生まれ、私たちに浸透した。D&DにWizardry、MTG、そしてクリスペは同じ世界観を共有して作られている。
厳密には全然別の世界だが、広義的にはシェアワールドなのである。
この雑学によって、夜のひとときをゲーム好きの友人との会話に花を咲かせ酒を酌み交わすというのも良いのではないだろうか。
クリスペユーザーID:SHIBKI#074143