こんにちは、shibkiです。
筆者はクリスペ初心者ではありますが、僭越ながら他TCGにおけるデッキビルドの基礎、マナカーブ理論について書いていきたいと思います。
これはTCG初心者の方へ向けた記事になっておりますが、クリスペから本格的にTCGに参入したプレイヤーも対象とし、クリスペ界全体の戦力の底上げを図ることを目的とした解説になります。
TCG初心者の方に多い、思うようにデッキが回らずモチベーションが保てないなどの問題解決の一助となれば幸いです。
まずはデッキ初動を考える
クリスペのデッキは30枚。そのうちマナコスト(カード左上の数字)が1のカードは何枚入っていますか?
先行手札3枚(クリプトスペル除く)で1ターン目手札にマナコスト1のカードが欲しい場合、あなたのデッキにはマナコスト1のカードを一体何枚入れれば良いのでしょうか?
答えは10枚になります。
数学的根拠を示すと30×1/3=10という計算で期待値が算出されます。先行1ターン目からカードを高い確率でプレイするためにはマナコスト1のカードが10枚必要になります。
1ターン目のドロー込みであれば手札は4枚。30×1/4=7.5となるため初手から動きたい場合は0マナと1マナのカードを合わせて7〜8枚採用することで初動は安定するでしょう。
ここにマリガンや後攻を加味すると6〜7枚ほどが理想的になると思います。
仮にデッキ30枚のうち6枚、マナコスト1のカードを採用した場合、残りの枠は24枚。
次の項ではこの24枚の内訳を考えていきます。
アーキタイプの理解
アーキタイプとはデッキの強い時間帯を指す言葉で、大きな区分けとしてアグロ、ミッドレンジ、コントロールの3種があります。
アグロはゲーム序盤から低マナコスト(1〜2マナ域)のカードをバンバン使って早期決着を目指します。相手に合わせず、ひたすらダメージを与えにいくスタイルが基本。
ミッドレンジは中マナコスト(3〜5マナ域)のカードパワーが高めのカードで場を制圧しながら勝利を目指します。ハンドアド、ボードアドの獲得が大切。
コントロールは高マナコスト(6マナ〜)の重量級パワーカードで一気に勝負を決めることを目指します。そのため序盤〜中盤にかけては基本的に妨害、防衛を軸にゲームを後半まで引っ張ります。
それぞれのアーキタイプはデッキの強い時間帯が決まっており、アグロは早い時間、ミッドレンジは中間、コントロールは遅い時間となっています。
使用するデッキの文明を決めたなら、どのカードを軸にデッキを組み立てる(ビルド)のか決めましょう。
大抵は希少価値と高ポテンシャルの高レアリティなカードが軸となるはずです。
そのカードのマナコストを見てみましょう。そしてそのカードを出すターンに、場に何が並んでいてほしいか?あるいは手札に何が欲しいかを考えます。
便宜的に6マナのカードを軸に選んだとしましょう。これはフィニッシャー(ゲームを決める)カードです。これが場に出た時にゲームに勝利できるプランを他のカードで実現させます。
最速6ターン目にこのカードをプレイした時、場には4マナの前衛持ちがいるため安全に着地可能です。
さらに2マナで味方一体を2+2するカードと3マナで敵一体に4ダメージを与えるカードを手札に持っています。
これを理想的とするならば、それぞれのカードを2枚ずつ採用してみましょう。
1マナ 6枚
2マナ 2枚
3マナ 2枚
4マナ 2枚
5マナ 0枚
6マナ 2枚 計14枚 残り枠16枚
6マナの巨大クリーチャーをデッキ上最大のマナコストとして設定した場合、このクリーチャーを引くまでに敵にダメージをどれだけ与えられたか、可能な限りマナをあまらせず手札を毎ターンプレイできていたかを考えます。
1マナのカードは初動の安定性を取り6枚と決めていましたから、次に2〜5マナ帯でクリーチャー、除去、手札を増やす、マナを増やす、味方を強化する等のカードを16枚入れていきます。
フィニッシャー(6マナのカード)は1ターン目から手札にあると6ターン目まではただの無駄な手札となってしまうためなるべく初手で引かないように高コストのカードほど投入枚数を少なくします。
基本的な戦略として、ターンが経過するごとに強力なカード又は低コストカード数枚をプレイし、最終的に7~8ターンあたりで決着を目指すデッキを作ってみます。
1マナ 6枚
2マナ 7枚
3マナ 8枚
4マナ 4枚
5マナ 3枚
6マナ 2枚 計30枚 残り枠0
これらのカードをマナコストごとにグラフにしてみます。
このように3マナのカードがデッキの中では一番枚数が多く、そこを頂点として曲線を描きます。これがマナカーブです。
6ターン目まで途切れることなく毎ターン手札をプレイし、かつ可能な限りマナをあまらせず使い切れるようビルドするとこんな感じのマナカーブになります。
あくまで高確率でというのが前提にはなりますが、ほとんど何もプレイできないターンはないでしょう。何もプレイできないターンは全ての手札が腐っていると考えれば可能な限り手札はプレイし続けたいですよね。
このマナカーブに沿って先ほどのアーキタイプを考えます。6マナがフィニッシャーという時点でコントロールデッキではないことがわかるかと思います。
コントロールデッキの場合、8以上のマナコストカードでゲームを決める場合がほとんどだと思うのでマナカーブはもっと緩やかな曲線を描き、もしかすると序盤はほとんど前衛や除去のみをプレイするだけでマナカーブの頂点が4や5になるかもしれません。
このあたりは一概にコントロールだから頂点が5マナとは言い切れないのですが、終盤に強いカードを配置する場合、基本的にマナカーブは緩やかになります。
逆に極端なアグロの場合、マナカーブの頂点が1マナや2マナに設定され、毎ターン数枚のカードをプレイして早めの決着を目指します。
もちろん強い人の中にもマナカーブがいびつな形をしていたりすることもありますが、それはマナを使い切るよりも優先しなければならない何かを達成するためと思われます。MTGなどではコンボデッキを使用する人は割といびつな形のマナカーブになっていることが多い印象です。
コンボデッキとは特定のカードが場に出揃うことで相互シナジーを超えたコンボとなり、簡単には除去できないあるいはその時点でゲームが決まるデッキを指します。
いかがでしたか?TCG初心者の方はパワーの高いカード=強いカードと考える方が多く見られますので、その考え方をこのマナカーブ理論によって少し変えることができれば、たまに出る8マナのカードよりも、長期的に勝てるデッキを構成する3マナのカードのほうが強いことに気が付けるはずです。
それではまた次の記事でお会いしましょう。良きクリスペライフを!