この星の上で
ヨウ素と呼ばれる栄養素は
あまりにも稀少な
恵みもの
だからこそ
溜め込むのだ
海と大地の
すべての命が
微生物が
植物が
哺乳類が
胎児が
幼な子が
生きるために
成長するために
取り込んで濃縮して
そして
母なるものは
愛ゆえに
やさしい瞳をして
母乳から愛し子に注ぎ込むのだ
この有り難き恵みものに
放射能はないはずだった
人類が核分裂からエネルギーを取りだそうとするまでは
だから今でも
生きとし生けるものは
ひとつひとつの細胞レベルで信じているのだ
海に溶け込んだ神の恵み
ヨウ素を
もっともっと
もっともっと
生きるために
成長するために
我が子のために
ああ
子どもたちは
宇宙を信じて
あるがままに
甲状腺に
ヴィシュダチャクラに
ヨウ素を
摂って
溜めて
焼けて
燃えて
声を涸らし
涙を流して
幼いものから死んでいくのだ