現在地球上に約6000種類の言語があると言われています。
しかし、経済的、軍事的に優位でない言語は、「有用でない」ために使う人が激減していき、今世紀末には200言語ぐらいに淘汰されてしまうのではないかという説があります。
これは有用性という観点からだけ言語を見たときに生じるひとつのパターンでしょう。
しかし、一方、失われようとする言語に対する保護運動が起こることがあります。
アイヌ語や琉球語を含む南西諸島諸語も絶滅の危機にさらされていましたが、ぎりぎりのところで保護運動が始まったということができます。
アイヌの古老の中には、近代日本語は有用だが、もうおまえたちはアイヌ語は学ばなくていいと若い世代に言った人がいると話を聞いたことがありますが、胸が痛みました。
日本語というくくりに限ってみたとしても、古文や漢文を「有用性」という観点からだけ切り捨てて、学ばなくなってしまうと、私たちは深くて広い言語の海から切り離された表層的な言語感覚だけで生活することになるでしょう。
語源がわからなくなる、漢字の体系性が失われるなどは、その現象の中の一部に過ぎません。
語源喪失の例
障碍という言葉について
https://alis.to/abhisheka/articles/3bNpRPzYjxBo