しばらく台湾に行ってきます。スマホ書き込み不可能なので、その間、ALISはお休みします。
1986年だったと思うけど、初めて台湾に行ったとき、故宮博物院で巨大な滝を老人と子どもが見上げている絵を見た。
その絵を見た瞬間、僕は消えた。美術でこんなことが起こったのはそれ以後、ゴッホの絵の多くと、良寛の書「天上大風」だけだ。
僕はあの滝の絵に再会したいのだが展示物は入れ替え制なので生きているうちにもう一度会えるかわからない。それと・・・絵の名前を控えていないのは致命的だ。
ゴッホの絵はそれと対峙している僕が消える。そしてその瞬間、そこに描かれてもいない星が無数に湧く絵もある。
あの滝の絵では滝を見上げている老人と少年がまず消え、それからその絵を見ている僕が消える。二重に不二になる。観ているものを観ている私も消える。二重というより、合わせ鏡のごとく無限というべきか。