
フランス映画「ちいさな哲学者たち」。
公立幼稚園で4歳から卒園まで行われた哲学の授業の記録。
授業といっても、子どもたちが輪になってろうそくに火をともし、テーマについて話し合うだけ。
先生は時々最小限の整理をするだけで殆ど子どもたちが話を進める。
その発言はとらわれなく、自由自在で、具体と抽象を何はばかりなく横断する。
子どもだけに身近な経験からの類推が基本だが、それに対して他の子が自分の経験から違う意見を言うから、自分ひとりで考えるのとは違う。
黒人、東洋人、白人、いろいろな背景を持った子どもたちが、皆フランス語で話すその口調がなんとなく音楽みたい。
だけど、皆フランスはあまり自由だと感じていないような・・・。
だけど、この幼稚園の哲学の授業はよかったと言って卒園していく。
「きっと、小学校はもっと大変よ」とか言いながら。
時々流れるテーマ音楽が、生きて死ぬとはどういうことかと問いかけてくるように感じた。
それを子どもたちは子どもなりの直感で断片的に照らし出してくれる。
そんな子どもたちの言動の記録を見る大人の視聴者に静かに哲学を迫ってくる映画だ。











