議論メシを通じて1年弱関わってきたBookShopTravellerという本屋のアンテナショップでの間借り店主を辞めたことを機に、本と本屋について考えていることを3回に分けて書いてみようと思います。なお、本記事は以前Facebookでのつぶやきをもとにしています。コメントいただいた方、大変参考になりました。ありがとうございました。
本ってなんだろう?Kindleや楽天Koboなど電子書籍でそれこそ何百、何千という本をタブレットで持ち歩けるこの時代において、リアルな本ってなんだろう?ということを考えています。
一般に本とは「遅いストック型知識」だと考えられていると思います。「遅い」とは電子書籍に比べて、流通までに時間がかかるという意味で、「ストック」とは経済学で言うところの「フローとストック」のストックで、知識を蓄えているものという意味です。
ところで、BookShopTravellerの店主和氣さんの言葉にこんなことがありました。
インターネット以前は本という物にストック・フロー両方の価値があったけども現在はフローとしての価値がなくなりつつある
子供のころ、本を大して読むわけでもないのに、友達との集合場所が図書館でした。それは携帯ゲーム機もスマホもない時代。遊びと言えば、走ったり木に登ったり、周りにある何かを利用していつも試行錯誤しながら、小さい林やちょっとした山を見つけては駆けずり回っていたあの頃。図書館にはたくさんの知識・アイディアがありました。みんなでそこで発見したもの・ことを使って毎日色々な遊びをし、多くの学びを得ていました。
和氣さんの言葉は、子供のころに感じていた本のイメージと、今、本へ感じている本のイメージの違いを教えてくれた気がします。
人は何のために本を読むのか、知識は何のために得るのか、私は、知識は使うために得るのだと考えています。そして、使う相手というのが必ずいて、使うことで自身の欲求を満たすのだと考えています。
本とは「人と人とを繋ぐ知識の宝箱」と考えると、ちょっとだけ、リアルな本に対して愛着が湧いてくるような気がしませんか?
つづきはこちら