金価格が暴騰している。しかし、それはそこまでの価値があるのだろうか?
なぜこんなことを言うのだろうか。その理由は上記の画像にあるといってもいい。上記はドルベースで見た過去100年の金価格の推移である。これだけ見ると、はっきり金価格は上昇していると言い切れる。それも7倍ほどにである。しかし、もう一つの画像を見てほしい、こちらはドルの価値がどのくらい変化してきたかを見るものである。
これによると、1900年の100ドルの価値は2022年の3600ドルと等しいということが分かる。実に36倍であり、これは先ほど見せた金価格の上昇よりも激しい。つまりこれが何を意味しているのかというと、あくまでも金投資ですら、価値の保存には徹していないということである。それ以上に通貨価値下落が激しいということであり、上記の表はまさにそれを体現しているといえる。
なぜ、ここまでの差が出てしまうのかはわからないが、金投資は確かにリターンがいい、しかし実際のところリターンどころかマイナスであることが分かる。
それもとんでもないマイナスである。この通貨安トラップに気づければ、金投資の本当のリターンに気づくことである。ちなみに、30倍もの通貨価値の下落は株式投資でもそこまでカバーできるものではない。究極の資産防衛は、こういう意味ではまだ発明されていないのかもしれない。それは電気抵抗はいくらやってもゼロにはならない、みたいな話と同じなのかもしれない。100年先まで全くロスなく、むしろ利益を出せる話があれば、どうなるのか気になるところではある。