第二次世界大戦から登場し戦艦の時代を終わらせた張本人といえば航空母艦でしょう。今回は、アメリカをはじめとする世界各国の空母についていろいろと紹介していきます。
ジェラルド R. フォード級(Gerald R. Ford class)は、アメリカ海軍が運用する現代の超大型空母クラスです。このクラスは、ジェラルド R. フォード(USS Gerald R. Ford, CVN-78)を含む、複数の空母を建造する計画の一環として開発されました。以下に、ジェラルド R. フォード級空母の特徴と役割を解説します。
2017年に就役。長さ337メートル、ビーム78メートルにのぼる。100,000トン以上の積載量を持ち、航空機、兵士、装備を輸送できる。2つの原子炉によって動力を供給されます。原子炉の使用により、燃料の補給が長期間不要で、遠隔地域での長期運用が可能
78メートルのフライトデッキには、電磁航空機の発射システム(EMALS)が搭載されており、伝統的なスチームカタパルトに代わって電磁力を使用して航空機を発艦できる。また、75機以上の航空機を運用でき、多用途の艦載機、戦闘機、ヘリコプターなどを搭載している。
ジェラルド R. フォード級は、RIM-162進化したスズメミサイル、機体ミサイル、RAMS(艦対艦ミサイル防御システム)、ファランクスの接近兵器システム(CIWS)などのミサイル防御システムを搭載している。
合計で4,539人の乗員を収容でき、この中にはパイロット、船員、整備士、兵士などが含まれている。
イギリス海軍のクイーン・エリザベス級空母は、非常に印象的な軍艦で、世界でも大型の空母の一つです。以下に、クイーン・エリザベス級空母の主な特徴と役割を解説します。
クイーン・エリザベス級には、HMSクイーン・エリザベス(HMS Queen Elizabeth, R08)とHMSプリンス・オブ・ウェールズ(HMS Prince of Wales, R09)の2隻の空母が含まれ、どちらも約65,000トンの変位を持ち、長さは約280メートルある。
最大で約40機の回転翼および固定翼航空機を搭載でき、36機のF-35Bステルス戦闘機を搭載も可能、これらは垂直離着陸(STOVL)能力を持っている。STOVL機能により、短い滑走路またはヘリコプター甲板からの離着陸が可能となっている。また、4機のマーリンヘリコプターも搭載され、対潜水艦戦、対海上警戒、輸送などの多目的任務に使用される。
クイーン・エリザベス級空母は最新のテクノロジーと自動化システムを導入しており、戦闘作戦において比較的少ない乗組員で運用が可能となっている。679人の乗組員で艦の運用が可能。この自動化は船の運用効率を向上させ、人員を安全に減らすのに役立てている。
クイーン・エリザベス級空母は、イギリス海軍のグローバルな展開や防衛任務を支援し、航空機を運用し、海上でのプロジェクション能力を提供する重要なプラットフォームです。特にF-35B戦闘機の搭載により、高度な戦闘力を発揮できます。
上海の江南造船所が建造した中国の新しい空母、福建(Type 003)は、中国の海軍力拡大において重要な役割を果たす技術的に進化した船です。以下は福建省空母の主要な特徴についての詳細です。
名前の由来でもある福建省は、中国の東部沿岸に位置し、台湾の向かいにあり、この新しい空母はその地域にちなんで名付けられた。福建(Type 003)は、中国の他の2つの空母である山東(Type 001)と遼寧(Type 002)に比べて技術的に高度で効率的と言われている。福建は約80,000トンの全負荷変位を持ち、これは他の中国の空母よりも大型で、米国海軍の一部の空母に匹敵する。長さは316メートル、ビーム(幅)は76メートルになる。
中国の福建は、スキーランプではなく電磁カタパルトを使用して航空機を発射する国内初の空母でもある。電磁カタパルトは、航空機の発艦をよりスムーズに行うのに役立ち、航空機の運用能力を向上できる。
福建には、スムーズな離着陸をサポートするためのフラットトップフライトデッキがある。これは航空機の運用に必要な要素であり、航空機の離着陸を円滑に行うのに役立つ。
中国の人民解放軍海軍(PLAN)が運用する遼寧は、ソビエト連邦のクズネツォフ級空母から改装されたもので、中国の海軍能力向上に寄与しています。以下は遼寧の主な特徴についての詳細です。
中国初となる空母の全長は約304.5メートルで、全ビーム(幅)は約75メートルに上る。これはかなりの大型空母で、大量の航空機を運用できる能力を持っている。2012年に再建され、PLANに委託されたのち現在、訓練船として分類されており、海軍が実験、訓練、空母運用に慣れるためのプラットフォームを提供している。
遼寧は、約50機の航空機を運用できる能力を持っている。これには固定翼飛行機やヘリコプターが含まれ、航空団を運用できる大きな航空運用能力がある。
米国海軍のニミッツ級原子力空母は、その大きさと能力から世界で有名な航空母艦のクラスです。以下に、ニミッツ級空母の主な特徴について詳しく説明します。
ニミッツ級は、第二次世界大戦の米太平洋艦隊司令官であったチェスター・N・ニミッツにちなんで名付けられた。合計で10隻の空母で構成され、USSニミッツ(CVN-68)がクラスの先頭船で、1975年に就役した。(最新のUSSジョージH.W.ブッシュ(CVN-77)は2009年に就役)。総積載量は約97,000トンで、全長は約332.8メートル、4.5エーカーに及ぶフライトデッキを保有。ニミッツ級は約60機以上の航空機を運用できるため、航空団を運用する能力がある。
これらの空母には約3,000〜3,200人の船員と約1,500人の航空機乗員が乗船している。さらに、2基の原子炉を搭載しており、非常に高速な航行(30ノット以上)が可能。
ニミッツ級空母は1968年に建造され、1972年にリリースした。最初は多目的空母として設計されたが、その後、原子力推進システムを備える多目的空母として再構築された。これにより、航空機の運用能力や行動範囲が大幅に向上することになる。
INS Vikrantはインドが概念化および建設した初の国産空母で、インド海軍にとって重要な戦力の一部となります。以下はINS Vikrantの主な特徴についての詳細です。
INS Vikrantの建設はインドのコーチン造船所で行われ、最終的な総トン数は約45,000トンで、長さは約262メートル、ビーム(幅)は約59メートルとなっている。2022年に就役した最新鋭の空母となる。
同空母は、最大40機の航空機を搭載でき、航空団を運用する能力を持っている。
INS Vikrantは、既存のINS Vikramadityaなどのインド海軍の航空母艦と比較して、より技術的に高度な特徴を備えており、航空機の運用、通信、センサー、兵器システムなどの面での進歩が含まれる。
INS Vikrantは、インドが国産の航空母艦を運用する重要なステップであり、国家の防衛能力と海上プロジェクション能力の向上に貢献するでしょう。