バイオインフォマティクスを学んでいると人体がすごかったことに気づくことがあります。そして、現在進行しているバイオ的な医療的な技術の進歩が将来的に人類に非常に大きなインパクトを与えるのではないかとも考えています。
人工子宮というのは現在進行形で開発されているテクノロジーの一つで、将来的な活躍が見込まれています。この人工子宮が一般的に使われるようになれば、女性は子供を産まなくてもよくなり、出産のリスクがゼロになるでしょう。ここで、倫理的に問題があったり、生まれてくる赤ちゃんが不幸だという人が出てくるかもしれませんが、「多様性」という魔法カードによってそれは無効化されるとも考えています。
しかし、その思想がどこまで許されていくのかはわかりません。しかし、自由と倫理を天秤にかけた時、倫理を多様性という言葉を言い訳にして自由を優先しそうだとは思っています。
バイオテクノロジーの発展は、身体障碍をもっている人々にとっては革命的なイベントになるかもしれません。人間には2本の腕と2本の足がついていますが、別段3本あってもいいわけでそこに根拠はあるのかどうか釈然としていないからです。現在の遺伝子解析が進み、遺伝がどのような仕組みで行われていくのかというのが解明されていけば、人工的な臓器を作り利用していくことはあるのではないでしょうか。
デザイナーベイビーは最近話題になったバズワードでもありますが、受精卵の状態で遺伝子操作を行い出産するという一連の流れが「すべて人体の外」で行われるようになれば、いわゆるパーフェクトヒューマン製造工場のように人工子宮から日夜多くの子供が出産されていくことになるでしょう。そして、かれらは遺伝的に優れており、知的増幅や体力強化、そのほか強力な遺伝状態を得ているかもしれません。
とはいっても、遺伝子操作しただけでは生命体として完全ではありません。それ以外のエネルギー作用機構がすべて問題なく動く必要があり、それらを改善するのは外的な情報付随だけでなんとかなるのか疑問が残ります。
そんなことができれば、人工的に臓器を作り出せるのではないかと考えたりします。ここまでくるとハガレンの世界になってくるかもですが、腎臓と膵臓、脾臓と肝臓の4つの臓器を一つにまとめ上げて機能は保存するというテクノロジーが出てきたり、性器に脳機能を付随したり、簡単に自分の血糖値をコントロールできるようになったりすれば、健康という概念が崩壊し「スマートボディ」なる人間が歩き回っていることが想像に難しくありません。
人工臓器というと、少し難解なイメージがありますがプログラムによって新しいアプリケーションを作るがごとく、医療やエンタメの分野にバイオテクノロジーが転用されていくことは十分にあるかもしれません。
しかし、バイオという性質上「自分以外の何か」を作り出すことは倫理的問題が上がってくると予想しています。例えば、その対象が自分自身ならば多様性という魔法カードで一斉に人体改造を行って流行するということが起こりそうですが、完全にゼロから生命体を生み出すとなってしまう場合、多様性としてどこまで許容されるのかは見えてこない部分があります。
しかし、そこまで進んだテクノロジーがあったら別段ゼロから作られた生命体も多様性の一部といわれて適当に扱いを受けることも想像できます。バイオ系のテクノロジーに言われている倫理的問題というのは、人間のやる気と熱狂だけで十分にかき消されてしまう可能性が高く、心配するに足りません。
そういう意味でも、将来のバイオテクノロジーは本当にルネサンス的発展を遂げるでしょうし、人類を含めたすべての生命体はゲノムクラスから改変を受け、その理解のベースの上で自由に生きていくことでしょう。