欲望。それは生きていれば必ずついてくるものであります。
しかし、欲望はあればあるほど人生を豊かにしてくれるわけではありません。その欲望の大きさや方向性は人生を形作ることはありますが、それが豊かにしてくれる要素とは限りません。
ここで重要なポイントは、欲望を収斂させることだと考えています。いわゆる、欲望を分散させるのではなく、一つに集中させるということです。よく、金融システムや資産は分散化させたほうが理想的だとは言いますが、欲望に関しては真逆なようです。もちろん、多くの欲求を持っているほうが、何かといろいろな体験はできるでしょう。
しかし、その大欲がかえって不利益につながることもまた考えなければなりません。結局のところ、欲望のバランスが重要になってきます。
欲望を収束させる方法の一つには、一通り欲望に屈服することがあげられます。まるで逆を行くようなこの手法は、一度自分の望むものを体感してみるという意味も込めてあり、その欲望が本当によく足るものかをジャッジする一つの過程ともいえます。
欲望が一つだけだとどのようなメリットがあるのでしょうか。それははっきりとは言えませんが、以下のようなものがあげられるでしょう。
✓ ほかのことに興味がなくなり、シンプルになる
✓ 徳は欲に従うだけで損が少なくなる
✓ 達成感が得られやすい
ほかにもいろいろあるかもしれませんが、少なき鋭利な欲求は多き凡庸なそれよりもはるかにQOLが高くなるのではないかと考えています。
資産家といわれる人々はこの世界にごまんと住んでいますが、彼らの大半はそこまで豪遊を楽しんでいるわけではなく質素な生活をしているという事実もあります。結局そこにあるのは、欲望の収斂であり、それが一つの芸術のように美しいと考えている人がいるからだとも思います。
ただ、最後に一つだけ言っておくと、なにも欲望の収斂が正しいというわけではありません。記事のタイトルはまるでそれをあおるかのようなものですが、それが正しいとは限らず、間違いにあふれているというわけでもないということを意識しておくといいでしょう。