マレーシアの渋谷的存在であるブギビンタン(星の丘)。しかし、その華やかな通りの裏にはその地の名称にちなんだような丘が姿を現し、その中にかのアロー通りが見えてくる。
アロー通りといえば一度は聞いたことがあるかもないかもしれないくらいの知名度である一方、アロー通りやセントラルマーケット、ペタリン通り近辺にはアートといえるような壁飾りが多く見受けられる。
KLの路地を歩いていると上のほうから水がしたたり頭の上に落ちがちである。上を見上げると、何十二も重なったエアコンの換気口があり、そこから水が滴っているのだ。
最初は白いアパートだったのかもしれないが、いつの間にか誰かによってイラストを描きまくられているアパートは明らかに観光地化を狙っているとしか思えない仕様である。もはやこのレベルは誰かがいたずら程度に思ってやったレベルの話ではない。もう最初から狙って書いたとしか言えないのである。
ちょうど上記の記事で紹介されているように、アパートの壁一面にイラストがかかっている。
マレーシアでは肌の色も多様であり、アジア系、ムスリム系の白目の肌からインド系の黒い肌を持つ人まで多く混在している。白人よりは肌が白いとは言えないものの、そのコントラストは明らかであり、ここが多民族国家であることを特徴つけるところでもある。
ブギビンタンは伊勢丹やルイヴィトン、グッチなどが軒を連ねるストリートになっている一方、少し裏路地に入ると落書きだらけのボロアパートに住んでいる人がおり、野犬もうろついているという割とカオスな場所である。
クアラルンプールはこういったところがかなり多くあり、きれいなところと汚いところの差が激しい印象である。
KLの始まりといえる場所がMurdekaスクエアの近くにあり、そここそがRiver of Life、泥の河の合流地点(Kuala Lumpur)である。東南アジアの多くの町には巨大河川(メコン、エーヤワディー、チャオプラヤ)などが流れている印象が強いものの、マレーシアではそんなに大きい川は流れていない。しかし、このゴンバック川とクラン川の合流地点であるRiver of Lifeはマレーシアの源流とも解釈されることがあり、ここの地もまた河川とは切っても切り離せない関係があることが伺える。
マレーシア自体、もともとは気概のある中国人やアラブやインドからやってきた商人がもとになってできたとされているが、その時代からカオスだったことはなんとなくうかがうことができる。マレーシア史を一見すると必ず出てくるのがシンガポールだが、シンガポールにもマレーシアにあるような文化、とりわけプラカナン文化などは共通してみられるものといえる。
KLやシンガポールは東京から時差が1時間しかないが、実際の場所を考えると2時間ある。例えばKLと同じ経度にあるタイ・バンコク、KLよりも西側にあるベトナム・ホーチミンはKLよりも1時間早い時差を持つ。なぜKLやシンガポールだけが1時間遅れているのかは、少し前欧米列強が植民地経営をしている時代にさかのぼらなければ謎は解明しない。その時代において、香港時間に合わせたいがために、シンガポールやマレーシアの時差を1時間早める必要があったとのことだ。
ベトナムにマレーシア旅行の後に行くとなったりすると困惑するかもしれない。なぜか東進しているのに1時間早くなっているからである。