ZKとOptimisticのRollup論争に終止符を打つ
レイヤー2への大規模な移行が行われようとしています。プロトコルがイーサリアムのベースレイヤーからoptimistic RollupやEVM対応zkRollupに移行することで、多くの人がオンチェーン手数料がようやくコントロール可能になる事を期待しています。しかし、イーサリアムのスケーリングに取り組んでいる誰もが、業界の汚い秘密を知っています:それは、Rollupをしても、おそらく現在のような状態に戻ってしまうという事です。なぜなら、現実的なスループットの増加は、瞬く間に誘発された需要によって食い尽くされてしまうからです。
Rollupは、スループットを直線的に増加させる事しかできません。全てのデータは全てのフルノードに伝搬されなければなりません。しかし、真のスケーラビリティを実現するためには、指数関数的なスループットの向上が必要なのです。
これが重要なブレークスルーであると確信しています。私たちは、optimistic Rollupよりも安全性の高い、20,000以上のTPSを持つシステムを設計しました。さらに重要なことに、このシステムは6ヶ月以内にzkSync 2.0でメインネットに登場します。
2020年10月、Vitalikはrollupを中心としたEthereumロードマップを発表し、全てのL1アクティビティがRollupに移行した場合、Ethereumは~3000 net TPSを達成できると予測しました。optimisticとzkRollupsの両方がEVM互換をサポートするようになり、L1からL2へのアプリケーションの迅速かつシンプルな移行が容易になります。
イーサリアムは爆発的、指数関数的な成長を遂げています。1年間で、DeFiのユーザー数は15万人から180万人に増加し、その一方でガス料金は16倍に増加しました。(Uniswap取引1回あたり$0.20から$36に増加)
なぜか?
スケーラビリティの向上は、新しいユースケースに加えて、金融活動やトランザクションの増加を伴うからです。
同時期に起こったことを考えてみましょう:
DEXの月間取引量:1.72B → 67B
DeFi TVL: 700M → 80B(11000%の増加!)
1ヶ月間のOpenSeaの売上:5M → 100M
メインネットと比較して、optimistic Rollupは25倍、zkRollupsは100倍のスケーラビリティを提供するに過ぎません。気がついた時には、私たちは振り出しに戻っているでしょう:今の、高いガス料金と一般ユーザーにとって手の届かない存在のイーサリアムです。
暗号分野は主流になろうとしています。そして、38億台のスマートフォンがある世界(Metamaskの月間アクティブユーザー数は300万人)では、来るべきものに対応するためには1000倍の規模が必要です。
このスケーラビリティのギャップこそが、私たちがzkPorterを作った動機です。
zkSync 2.0では、L2状態を2つの側面に分けます:オンチェーンデータを利用可能なzkRollupとオフチェーンデータを利用可能なzkPorterです。
zkRollup側のコントラクトとアカウントは、zkPorter側のアカウントとシームレスに相互作用することができ、その逆も可能です。ユーザーの視点では、zkPorterアカウントの手数料が100分の1になるという事実が唯一の違いと言えるでしょう。
これを見てください。
UniswapはzkRollup側に彼らのスマートコントラクトを展開し、zkPorterアカウントのリテールユーザーは手数料0.03ドル未満でスワップできるようになります。
どうしてそんなに安いのでしょうか?
それは、Rollupの手数料の大部分がイーサリアムにデータを公開する為のコストによるものだからです。 zkPorterアカウントはUniswapコントラクトで何千回ものスワップを行うことができますが、イーサリアムに公開する必要があるのは1回のアップデートのみです。
zkPorterアカウントのデータ可用性は、ガーディアンと呼ばれるzkSyncトークンホルダーによって確保されます。ガーディアンは、zkPorterアカウントのデータ利用可能性を確認するブロックに署名することで、zkPorter側の状態を追跡します。ガーディアンはzkSyncトークンでPoS(proof of stake)に参加する為、データ利用可能性の失敗はガーディアンがスラッシュされる事になります。これにより、データの可用性が暗号経済学的に保証されます。
zkSyncのPoSは、サイドチェーンなど他のシステムのPoSよりも格段に安全であることに注目できます。これは、zkSyncのガーディアンが本質的に無力である為であり、ガーディアンは資金を盗むことができません。彼らはzkPorterの状態を凍結する(自分のステークを凍結する)事しかできません。そしてこの場合、zkRollupのユーザーは依然として資金を引き出すことができます。
全てのユーザーは、自分のセキュリティ閾値を自由に選択する事ができます。全てのデータをオンチェーンで利用したいユーザーは、完全にロールアップ側にとどまることができます。しかし、手数料に敏感なユーザーであれば、zkPorterをホームにする事も可能です。(トレーダーや新規ユーザーがzkPorterを利用する可能性が高いと想定されます)。
このデザインは、StarkWareが開拓したVolitionと呼ばれる広範なソリューションクラスに該当します。私たちのアプローチの違いは、分散化に厳密に焦点を当てている部分であり、その為にいくつかの重大なアーキテクチャの変更を実行しました。
これにより、L1や従来のRollupで不経済だったアプリケーションの全てのカテゴリーが解放されます。これらのアプリケーションは、イーサリアム上に構築され、イーサリアムユーザーにサービスを提供できるようになります。
このような事が可能なのは、ゼロ知識証明の暗号技術が存在するからです。optimistic Rollupでは、zkPorterのようなスケーリングを実現する事はできません。optimistic Rollupでデータの可用性がオフチェーンに移動した場合、悪意のあるオペレータは難なくRollup内の全ての資金を盗む事ができるでしょう。
同時に、zkPorterはoptimistic Rollupよりも強力なセキュリティ保証を持っています。その理由を理解するために、潜在的な攻撃のコストと利益を見積もってみましょう:
1) 攻撃コスト
今日の時点で、51%のハッシュパワー調整によるoptimistic Rollupを攻撃するコストは7,000万円以下です(Proof of Stakeが登場すれば、この問題への懸念は低下します)一方、zkPorterのデータを利用できなくする為には、攻撃者はステークトークンの価値の⅔を蓄積する必要があります(これは確実に7,000万ドル以上になります)。さらに、攻撃者はトークンを購入する際に大きなスリッページが発生するため(そして、ステークトークンは購入できません)このような攻撃を実行するには、スポット価格から想像されるよりも遥かに高いコストがかかります。
2)攻撃による利益
optimistic Rollupへの攻撃が成功した場合、ハッカーはRollup内の全ての資金を盗む事ができます。これにより、攻撃のインセンティブが飛躍的に高まります。zkPorterへの攻撃は、直接悪用する事はできません。攻撃が成功した場合、攻撃者はブロックの生産を停止できるだけで、ユーザー資金を盗む事はできません。サービスの中断を収益化に転用する事は難しいため、攻撃のインセンティブは大幅に低下します。
zkPorterの構築
zkPorterが登場します。Matter Labsチームは、これを今後6ヶ月で生産可能にするために取り組んでいます。
zkPorterそしてzkSync 2.0— 私たちの次世代スマートコントラクトプラットフォームで利用でき、Solidityをサポートした状態で出荷予定です。5月にパブリックテストネットを公開し、夏の終わりにメインネットのローンチを目指します。
一方、支払いにはzkSync 1.xを使用することができます(2020年6月からメインネットで稼働しています)数週間後にはNFTもサポート予定です。
アーリーアクセスやチームのサポートをご希望の場合はhello@zksync.io までご連絡ください。
採用情報
zkSyncはミッションに基づいたプロジェクトです。私たちの価値観やビジョン、文化を共有できる方は是非一緒に働きましょう!(full list):
Senior Software Engineer (Rust, Solidity)
Head of Communications (Chief Storyteller)
この記事にレビューとコメントを寄せてくださったHaseeb Qureshiさんに感謝します。
zkSyncは、検証 ツールではなく 、数学に依存する
zkSyncは、セキュリティへの妥協なく イーサリアムのスケーラビリティを 解決していきます。楽しいゲームや貢献することなく何かが得られるようなイベントなどは一切ありませんが、DYORが得意で、トークンよりもプロジェクトに興味をお持ちであるという方は、下記リンクより各コンテンツをご覧になり、フォローすることをお勧めします。
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