どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
人には様々なバイアス(bias:偏り)があります。
株価が下がった後で「やっぱり下がると思った」と言ったり、オタクはチェック柄のシャツを着ていると思ったり、血液型がA型の人は几帳面でO型は大雑把、等々。大なり小なり、誰しも思い込みや先入観を持っているものです。
今回は、多くの人に該当するバイアスの1つ、「自己奉仕バイアス」(自己奉仕的原因帰属)についてご紹介します。
自己奉仕バイアス
成功を当人の内面的または個人的要因に帰属させ、失敗を制御不能な状況的要因に帰属させること。
つまり、成功した時には「すごく頑張ったからなー」「あの時に決断したからよかったんだ」…と、自分に原因があると考えます。
一方で、失敗した時には「あいつが邪魔さえしなければ」「あの時お前がもっと強く止めてくれればよかったのに」などと、他人や環境のせいにします。
おわかりの通り、このバイアスがある限り、失敗を糧にすることができません。
では、どうすればいいのか?
解決策の1つは、シンプルですが「自責の念を持つ」ことです。明治の大作家・幸田露伴は『努力論』で次のように述べています。
「あらゆることを自分の責任にする」ということほど、自分の欠点を補うのに有効な手はない。そして自分の欠点を補える人は、成功者の資格を得るのに十分な資質をもっている。
また、自己の責任でものを考えることほど、他人からの信頼を得るのに有効なこともない。他人からの信頼を得ることほど、自分の成すべきことを成功に近づけることはないのも、明白な道理だ。
—— 『努力論 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ11)』
“偉人”といわれる人ほど、「自責」でものを考える習慣をもっています。
もし何か失敗した時には、冷静になった後にでも自分の過失を見つめる習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ではまたー。
評価バイアスの法則:ひとたびある物事に評価を下すと、それに反する証拠が見えなくなる。
→【122】ドラフト順位は選手生命に影響する
後知恵バイアス:物事が起こった後、それが予測可能だったと考える傾向のこと。
→【124】なぜ「モナ・リザ」は世界一の名画なのか?
確証バイアス:自分の考えを裏づける証拠となる情報にはよく気づくのに、矛盾する証拠となる情報を見逃す心理傾向のこと。
→【125】人は無意識のうちに、都合の悪い情報から目を背ける