どうもこんにちは。
連休は自宅に引きこもる派の新米心理カウンセラー・あぶです。
今回は、社会心理学の「スポットライト効果」についてご紹介します。
スポットライト効果
まるで舞台の上でスポットライトを浴びるように、自分の外見、装いや振る舞いなどについて、「他人が自分に注目している」と思うこと。
例えば、バスや電車で、他人が自分に注目している気がすることはないでしょうか? あるいは髪型や服装が決まっていないと思う時、人目が気になって、何度も髪を直したり自分の服を見直したりすることはないでしょうか?
実際は、人は他人のことなど対して気にしていません。ご自身も、あまり他人の様子ってよほど変わったことがない限り、じっくりは観察してませんよね?
ところが自分は実際以上に注目されている、と思うことがあります。これが、スポットライト効果です。この意味から、自意識過剰の説明として時々使われることがあります。
もし、人から「気にしすぎだよ」などとよく指摘される方は、自分にスポットライトが当たりすぎている可能性があります。なのでその場合は、「周囲はそれほど自分のことを気にしていない」「人は人、自分は自分」などと考えて、気楽に構えるといいかと思います。
ただ、心理学者トム・ブラフマンが著した『トンネラーの法則』によると、心(意識)のスポットライトがどちらに向いているか —— 視点が外的か内的か —— によって、逆境を乗り越え、成功を収めることができるかどうかが決まるといいます。
スポットライトが外の世界(自分を取り巻く世界)を向いている人々の場合、人生で起きた出来事を自分の外側にある要因を通して解釈します。
例えば、何か問題が生じた時、「運が悪かった」「〇〇(他者)が変な振る舞いをしたせいだ」「偶然が重なっただけ」などと考えます。
彼らの心のスポットライトは自分自身を照らしていないので、人生で起きていることに対して、自分自身の行動が大きな影響を及ぼすとは考えません。
そのため、スポットライトが外向きの人は、満足度の浮き沈みが激しいです。また、困難な状況に置かれると不安でいっぱいになります。
一方、あたかもトンネルをくぐり抜けるかのように、人生の障壁をするりと通り抜けることができる「トンネラー」ともいうべき人々は、心のスポットライトを自分に向けます。彼らは、自分自身こそが人生における中心人物だと考え、自分の人生で起きる出来事に対して全面的に責任を取ろうとします。
そのためトンネラーは、逆境に置かれてもその状況に屈しません。打ちひしがれたり、「こんなのは不公平だ」などと思わず、「この状況を打開するために自分にできることは何だろう」と冷静に考えることで、打開しようとします。
以上のことから、スポットライト効果、すなわちスポットライトを自分に向けることは、逆境を乗り越えるための重要な原動力の1つになるといえます。
逆境や試練に直面した時、その責任を自分で取ろうとすることで、人生をコントロールする力を取り戻し、自分の身に起きている出来事に対処するための新たな行動を起こすことが可能になるはずです。
もし、苦しい状況にある時には、舞台の上であなたを演じる役者を想像してみてください。スポットライトを浴び、観客からの視線が注がれる主役(あなた)なら、どういう行動をとってこの困難を乗り越えるでしょうか。
その答えこそ、逆境を乗り越え、成功を収める最善策となるはずです。
ではまたー。
「逆境」を乗り越えるヒント