どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
皆さんは、親しい人や、自分が好意を持っている人から何かを頼まれると、たいてい「イエス」と言って引き受けてしまいませんか?
これが、『影響力の武器[第三版]』のいうところの「好意のルール」です。今回は、この好意のルールについてみていきます。
《6つの心理学的原理》
返報性のルール/コミットメントと一貫性 /社会的証明/好意のルール/権威/希少性
※6つの心理学的原理のうち、「返報性のルール」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」については、すでに紹介済みです。本記事の最後にリンクを貼っていますので、興味ある方はぜひご覧ください。
デトロイトのジョー・ジラードという男がいます。彼は好意のルールを用いてシボレーを売るスペシャリストでした。
彼はこの方法で年間20万ドル以上も稼ぎ出し、大金持ちになりました。12年連続で「ナンバーワン・カー・セールスマン」に輝きました。1日に5台以上の乗用車とトラックを売りました。「世界で最も偉大な自動車セールスマン」として『ギネスブック』に載ったこともあります。
これほどまでに大きな成功を収めたにもかかわらず、彼が用いた手法は驚くほど単純でした。人々にたった2つのものを提供しただけだったのです。つまり公正な価格と、この人から買いたいと思うような人格です。
彼はあるインタビューの中で言っています。
「自分が気に入ったセールスマンと、納得できる価格。この2つが一緒になれば、誰でも車を買いますよ」
—— 『影響力の武器[第三版]』
では、ジョー・ジラードのように「この人から買いたいと思う」ような人、すなわち、人々から好かれる人間になるには、どうすればよいのでしょうか?
全体的な好意に影響する要因の1つとして、「外見の魅力」を高めることが挙げられます。
外見の良い人の方が、他者との付き合いで有利になるというのは一般によく知られています。これは、社会科学者が「ハロー効果」と呼ぶもので、ある人が望ましい特徴を1つ持っていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受けることをいいます。
身体的魅力がそのような特徴として作用することは、多くの証拠から明らかになっています。我々は、外見の良い人は才能、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると自動的に考えてしまう傾向があるのです。
ちなみに。ハロー効果については、過去記事(【014】ハローとデビル)でご紹介していますので、詳しく知りたい方はぜひこちらをご覧ください。
好意を生み出す要因は他にもあるのですが、その中でも最も影響力のあるのは“類似性”といわれています。なぜなら、人は自分に似ている人を好むからです。服装が良い例で、我々には自分と同じような服を着ている人を好む傾向があります。また、経歴や趣味が似ていることも好意を得ることにつながります。
さらに、興味深いことに、保険会社の営業記録を調べた結果、年齢、宗教、喫煙の習慣がセールスマンと似ていると、客は保険の契約をしやすいことが明らかになっているそうです。
つまり、見た目に気を配ったり、相手と似た言動をしてみたりすると、気になる相手から好意を持ってもらえる可能性は高くなる、ということです。もし、そういう方がいる時には、ぜひこの「好意のルール」を取り入れてみてください。
ではまたー。
「ハロー効果」について
→【014】ハローとデビル
返報性のルール
→【100】なぜ、親切にされるとお返ししたくなるのか?
コミットメントと一貫性
→【099】重い腰はなぜ上がらないのか
社会的証明
→【102】なぜバラエティ番組では笑い声が入るのか?