どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
今回は『影響力の武器[第三版]』から、「社会的証明」の原理をご紹介します。
《6つの心理学的原理》
返報性のルール/コミットメントと一貫性 /社会的証明/好意のルール/権威/希少性
6つの心理学的原理のうち、「返報性のルール」と「コミットメントと一貫性」については、すでに紹介済みです。本記事の最後にリンクを貼っていますので、興味ある方はぜひご覧ください。
社会的証明の原理 —— 。これは、人は他の人たちが何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断する、というものです。
この原理が特に適用されるのは、どう行動するのが正しいかを決める時です。特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断します。
—— 『影響力の武器[第三版]』
この原理の好例が、テレビ番組の演出で挿入されている「笑い声」です。
数々の実験結果から、笑いどころであの笑い声を使うと、観客(視聴者)の笑う回数が増え、笑っている時間も長くなること、また、番組のネタをより面白く感じることがわかっているそうです。さらに、ジョークがつまらない時にこそ、あの笑い声が効果的であることを示す証拠もあるといいます。
要は、特定の状況のもとで、ある行動をする人が多いほど、それが正しい行動だと見なしてしまうのです。
この社会的証明の原理を悪用して、利益を得ようとする人もいます。
例えば、チップを入れる箱や募金箱の中に、数枚の紙幣を“見せ金”としてあらかじめ入れておく。それが先客の残したものだと装い、「お金を入れるのがふさわしい行動である」という印象を作ろうとしているのです。実際、こうすることによって、実入りは多くなるそうです。
ロバート・B・チャルディーニは、こうした誤った社会的証明に影響されないためには、次の2つを肝に命じることが必要だといいます。
①類似した他者が行っている、明らかに偽りの証拠に対して敏感であること
②自分の行動を決定する際には、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしないこと
仮想通貨での銘柄選びにこの教訓を生かすとするならば、他者の行動だけを判断材料にするのではなく、広く情報を集めた方がいいといえるでしょう。
ではまたー。
返報性のルール
→【100】なぜ、親切にされるとお返ししたくなるのか?
コミットメントと一貫性
→【099】重い腰はなぜ上がらないのか