翻訳と解説
OpynはSQUEETHというETHの二乗に比例する金融商品をリリースする予定だ。
ここではUniswap v3のUSDC/ETHのポジションをヘッジするためのSqueethの使い方を解説する。
Uniswap v3においてLPにdepositした資産額ωはin the money(現在価格PがPmin < P < Pmax)のとき、deposit時に一意に決まる定数Lを使って表現される
(P = Pi → ω = ω0)
LPのグリークスを求める
Squeethの価値とグリークスを求める
Squeethの価値Vは現在価格Pを使って表現できる
グリークスは
UniswapのΓをSqueethのΓでヘッジし、それぞれのΔを先物でヘッジすることで、ニュートラルな状態を作れる。
Uniswap v3のΓをヘッジするために必要なSqueethの枚数は
このときSqueethから生じるΔを求める
これをニュートラルにするため、先物を↑の計算で求まった枚数分ショートする
またUniswap v3から生じるΔは↓の値になるので、先物をその枚数分ショートする
またここにおけるPはUniswap v3にdepositするときの初期価格(Pi)である
Uniswapにdepositした財産とヘッジをかけた財産の増加量(PnL)をグラフにすると下のようになる
特に着目したいのが価格変化が1以下、つまり下落した時、ヘッジありではヘッジなしよりもマイナスのPnLが小さく、資産を保持できている。
Squeethの枚数はFunding Rateによって正規化されるので、正規化係数(the normalization factor)を適用してoSQTHとして発行しなければならない。
正規化係数が0.7ならば10000/0.7をUniswap v3のΓをヘッジするために必要なSqueethの枚数にかけてやればよい。
注意点1 : O(x³)
前述のグラフを見ての通り、完全なニュートラル状態にはできていない。
これは先物(x)とSqueeth(x²)だけでしかヘッジをしていないため。
注意点2 : レンジの認識
Uniswap v3で決めたレンジの外ではΓがないので広いレンジを持つか、リバランスする必要がある。
注意点3 : 資金調達コスト
SqueethはロングポジションからショートポジションにFunding Feeを支払う。
Uniswapの手数料と釣り合っている、つまりUniswapがSqueethより高いボラティリティを価格設定している場合、ヘッジは機能する
注意点4 : Squeethの価格変化
SqueethはoSQTHとして発行され、Funding Feeの支払いと共に価格が変化するので時々ヘッジに必要な枚数をチェックして調整する必要がある
UniswapのLPの資産変化がSqueethと先物の値動きで十分ヘッジされていると考えた場合、キャッシュフローは↓のようになる。
Uniswapの手数料 - SqueethロングポジションのFunding Fee + 先物ショートポジションのFunding Fee
ペイしたらヘッジ成功、足が出たら残念ということ。
価格関数Vの値のテイラー級数の最初の2項を使って表現できる。