日本人の友人の月子さん(仮名)がカルフォニアから僕のいるタイまでやってきた。
僕はつい数時間前に10日間の沈黙の瞑想コースを終えた直後で、とてもじゃないが人と話す気分じゃないんだけど、わざわざ地球の裏側から僕と話すためだけに来てくれたとあっては聞かないわけにはいかない。
彼女はここ数ヶ月の間アメリカ大陸で強烈な霊的体験をしていて、誰かその体験を理解してくれる人に話さなければ頭が爆発しそうだという。
ここ数週間ほど僕とはフェイスブックを通してチャットをしていたが、文字を書くのが苦手な彼女は直接話さないと通じないと思い、ここまでやってきた。
でも、話したい気持ちが先走りすぎて何から話し始めればいいか混乱している様子。
とりあえず、時系列にそって一つづつ順番に話してくれるように頼む。
話は複雑に絡み合っていて未来に飛んだり、過去に飛んだりするが、その度に時系列に合わせるように促して、僕にも理解できるように話をしてもらう。
その話は結構長くてややこしく、完全に理解するのに数日かかるような話だったが大体は理解できた。
彼女は数ヶ月前にコロンビアで幻覚性植物(アヤワスカ)を利用した精神修行の儀式に参加していて、それがきっかけの一つとして今回の急激な覚醒のプロセスが起こっていた。
その意識面での強烈なプロセスが起こっている最中に現実世界では彼女はカリフォルニアにいて、ネイティブアメリカンの抵抗運動に参加して死にそうになったり、友人の妻が気が狂って警察に保護されたり、彼女の働く農家のオーナーがガンで死にかけていて給料未払いだったりなどのとんでもなくややこしいことが立て続けに起こり混乱を極めていた。
そんなクレイジーな状況の中、彼女の意識の覚醒プロセスはどんどん進んでいく。
エネルギーが上昇して何日も眠れなかったり、全ての景色に虹のような後光がさす幻覚が数日にわたって起こったり、マリアの受胎のような擬似妊娠が起こって生理が止まったり、あらゆる聖典の一般に理解されている意味とは別の本当の意味が瞬時に理解できたり等などが過去数ヶ月の間に立て続けに起こっていた。
一般社会にいるとそのまま精神病院に放り込まれるような話だが、旅人の世界で生きている月子さんは、ちょっと変わった人くらいな感じで温かく見守って貰えていたようだ。
だが、この手の話は実際に覚醒のプロセスを経験した人でなければ理解できないことも多く、この数ヶ月に経験した強烈な経験を理解できる人が周りにいなかったことが苦しかったようだ。
彼女はものすごく大きな覚醒のプロセスを経て、混乱していたが、タイに来て数日経った今では僕と会話したこともあって、落ち着きを取り戻し、自信を持って明瞭に覚醒している状態を受け入れている。
僕たちは過去4年間に中央アメリカで何度か偶然/必然に出会っていて、最初の出会いは2012年末のマヤンカレンダー最後の日に合わせて開催されたメキシコのパレンケでのワールドレインボーギャザリングでの事。
レインボーギャザリングとはごくごく簡単に言うと、旅人やヒッピーやオルタナティブな活動家などが自然の中で1ヶ月間限定のコミュニティを作って共同生活するイベントのことです。
リーダーはなく、参加者全員が運営者でオーガナイザー。
誰もなにもしなくても良いし、みんながなんでもやる。
生活設備や食事は全てボランティアと寄付によるもの。
非常に独特の世界観があり、奇妙奇天烈で濃厚な人たちが集まってくる。世界一濃ゆいヒッピーの集いといっても過言ではない。
(レインボーギャザリングのことを日本語で詳細に紹介した記事があまり見当たらないので、いずれしっかりと紹介したいと思います。)
その時は参加者が全部で5000人くらいいる内の15人程度の日本人同士として一緒に時間を過ごしたが、深くは繋がってはいない。
他には2014年にグアテマラであったレインボーギャザリングでも会っていて、僕が病気だった時に色々と看病してくれたのだが、その時僕はドイツ人のガールフレンドと過ごしていたので、月子さんは遠慮したのかして僕と深く関わることは無かった。
僕は2010年から2014年まで北米、中米をウロウロしていて、月子さんも同じ時期に同じ地域に居たのでニアミスがあったり、共通の友人が色々いたり、カリフォルニアでの農家の仕事を紹介してもらおうとしたりなど色々な関係があった。
他にも僕がネパールで作っているワッペンをまとめ買いしてくれて日本やアメリカのフェスティバルで売ってくれたりと色々と細かい部分で繋がっているのだが、二人きりで30分以上一緒に時間を過ごしたことは一度もなかった。
そういった中でも今に関わってくる意味深な関係性は2014年にグアテマラのマヤの聖地、火山の麓のアティトラン湖で会った時のこと。
滞在していた村にある日本食レストランに食事に行くと、離れた席から日本語が聞こえてくる。日本食レストランだが、客のほとんどが西洋人なので日本語が聞こえるのは珍しい。
振り向くと前からの友人の月子さんがいて、面白い人たちと出会ったからこっちに来いと言って紹介してくれたのが可愛らしい日本人の双子の女の子たちだった。
彼女たちは生まれた時から特殊な能力があり、その能力は社会で生きていくには不都合なので、ずっと封印していたのだが、ここ最近になってその能力を解放するようになり、さらにはその能力を使ってお金を稼ぎ、世界中を旅し始めたと言う。
その能力というのは、双子の一人は人それぞれの持つ固有の魂の色が見えるのでそれを絵に書いて表現する。
もう一人は宇宙の全ての知識が存在していると言われるアカシックレコードから情報を得ることができる。
そしてその二人の能力を合わせて過去生セラピーみたいなことをしているのだ。
僕は基本的に霊能者の類は信じないようにしている。どこからどこまでが妄想か真実かなんて誰にも証明しようもないし、色々なボッタクリの事例も目にしてきた。
だが彼女たちに関しては僕の疑いの心は一瞬で溶かされた。
彼女たちが放つエネルギーのクリアさや明るさ、そして話す言葉の鋭さから、この人たちの霊能力はどうかわからないが、人間として本物だと思ったので、彼女たちにチャネリングセッションをしてくれるように頼むことにした。
ありがたいことにセッション代60ドルの半分を僕がネパールで作って旅しながら売っているワッペンと交換でも良いと言ってくれたので、より気軽にセッションを受けることができた。
今思うとあのクオリティでこの値段は異常に安すぎる。500ドルくらいが妥当に思う。
双子とはこの時に会ったばかりでお互いのことはなにも知らないが、セッションを受けるとまるで僕の現生での行動を反映するかのような過去生の話を次々として来る。
彼女たちの話を聞くと、僕の今世は過去生でやったことの総おさらいをしているように思えて来る。
僕は今世で人間の肉体に生まれるのは最後。だから総おさらいをしているのだろうか?
一つの過去生では、ロシアの富豪の息子で一生お金を気にせずに絵を描いて過ごした。それは現在の音楽家としての活動に通じているように思える。
一つの過去生では、インドのヒマラヤにある宗教団体でトップクラスの立場に居た。それは今世でヒマラヤにある瞑想グループに関わっていた事に繋がっているのかも知れない。
一つの過去生では、南インドのジャングルで一人で修行していた。それは今世で南インドのジャングルで何ヶ月も一人でキャンプしていたと関わっていそう。
一つの過去生では、キューバ革命で戦士として戦っていた。
僕は十代の頃からキューバ革命のリーダーのチェ・ゲバラのファンで、伝記を読んだり、ゲバラの顔のデザインのTシャツを着ていたし、二十歳の時にはゲバラという名前のLSDを摂取して意識の革命を経験したこともある。
そして、革命家としての意識は今世でのオキュパイムーブメントとの関わりや、レインボーコミュニティの創設などにも関わってきているのかもしれない。
色々な過去生の話の中、特別に興味を引いたのがこの話。
一つの過去生では別の星からメッセージを受け取るということをやっていた。
そして、別の生ではどこかの星からこの星に向けてメッセージを送っていたらしい。
今世では送り手と受け手の両方を統合したかのような行動をしている。
僕はミステリーサークルという、宇宙人からのメッセージかも(実際には人為的なものもかなり多い)と言われているデザインを元にしたワッペンを作ってフェスティバルなどで売り歩いている。
僕としてはミステリーサークルなどの神聖幾何学のデザインの見た目が好きで、その線と円を中心に描かれた形がエネルギーを増幅することができるというメッセージを伝えるためにワッペンを作って売っていた。
それは何年もの間僕の旅の資金源になっていたが、まさかこんな過去生からの関係性があろうとは思いもしなかった。
そしてこれはつい最近月子さんから聞いた話なのだが、僕がセッションを受けた直後に月子さんもセッションを受けていたらしい。
同じように月子さんも今世でこの肉体の次元が最後だということ。
そして月子さんは僕の存在が前から気になっていて、何か過去生での関係があるのかと聞いたところ、彼女も過去生で僕と一緒にキューバ革命で戦っていたという。
僕はセッションを受けた後、数年間双子には会っていないし、月子さんもこの話を僕には伝えずに内に秘めていたので、僕はこの話をつい最近まで知らなかったのだが、月子さんとはキューバ革命での過去生の時に色々あったらしい。
僕たちは革命の志を共にした同士だった。
命を賭けた戦友。なんなんだこの関係は?
まあ、もちろん何処まで本当の話かなんてわかりっこないので、話半分に受け取っているが、色々と興味深い。
この過去生での深い繋がりが、今後どのような関係を現生で綴っていくのか?
つづく。。。
次回は、月子さんとマレーシアへ旅し、現生でのお互いの関係を深めていく話です。
(この記事は2017年1月9日に自身のブログに投稿した物を加筆修正してアリスに再投稿したものです。)
(より分かりやすく、面白く伝えられるように文章力の上達を目指しています。ここが分かりにくいとか、この文いらないんじゃない?とか、ここはこういう風に表現すると良いよ、ここ字を間違えてるよ、などのご意見、感想、アドバイスなどいただければ嬉しいです。)