インド旅の目的のひとつはチベット亡命政府が置かれているダラムサラの様子を実際に感じてみることです。
1950年代、中国共産党は人民解放軍をチベットのダライ・ラマ政権が実権を握っていた地域にも送り込み実質的に実権を掌握。
首都ラサにも駐留することで、チベットの自治を無効状態にしてしまいました。
その後チベット人たちは何度も蜂起しますが人民解放軍に殲滅させられてしまいます。
1959年ついにダライ・ラマが人民解放軍に拉致されそうになりましたが、数万人のチベット人とともになんとかインドへと亡命に成功します。
そこでチベット亡命政府の樹立を宣言します。
そして現在の亡命政府本部はダラムサラにあります。
今回ダラムサラを歩いてみると、街の雰囲気やお店は完全にチベットの雰囲気でした。
住んでいる人はインド人とチベット人が半々くらいでしょうか。
町中至る所でお坊さんが歩いています。
町中にはカフェがたくさんあるのですが、どこに入ってもお坊さんたちがくつろいでいます。
小坊主たちはチベットの禅問答のようなことをやって修行しています。
チベットの旗も掲げられています。
中国のチベット自治区内では禁止されているのでダラムサラでしかみることができません。
現在の亡命政府議会は、各地域の代表とともにチベット仏教の各派の代表、ボン教(仏教伝達以前からのチベットの信仰)の代表それぞれの代表者で構成されているそうです。
各地域各宗派の意見を全て取り入れることで、チベット人からは圧倒的な支持と信頼を得ているのだそうです。
ヒマラヤの麓に位置しているので多くの動物もいます。
珍しい猿もいました。
町中ではたくさんの仏具や仏画屋さんで溢れています。
これはタンカと呼ばれるチベットの伝統的な仏画。
この女の子とお兄さんお姉さんの三人でこの絵を描いたそうです。
これはグリーンタラという女神ですが、描いた女の子とそっくりな気がします。
政治体制ももちろんですが、このように伝統文化の継承がしっかり行われているのが心強いです。
チベットの民衆をまとめているのはチベット仏教であり、その仏教の基盤を支えているのが仏教芸術です。
ダラムサラの中でも多くの人が伝統絵画を若いうちから学ぶことで、仏教芸術は後世へと引き継がれていくはずです。
そしてこの街特有のとても平和的で安らぐ雰囲気が町中に満ちています。
この雰囲気を求めてインド人たちも長期滞在をしに来るそうです。
街を歩いて感じたのですが、場所が変わってもこのような平和的な雰囲気を作り出す底力がある限りは、支配者たちがどんなに武力に訴えても、魂の絆のようなものででつながっているチベットの人達はしっかりと生き残っていくような気がしました。
その他のインド記事はこちらを是非ご覧になってください。
ねこ〜chain に登場する猫はelm13のALISブログの記事にねこ写真が登場するたびに増えていきます。2月22日のネコの日を記念してはじめてみました。
よかったら今まで出会ったねこたちを見てください🐱