以前から空や雲に興味があったので、一時期気象学の勉強をした時期がありました。
その時に一番興味を持ったのが、”バタフライ効果” という現象。
ローレンツさんという気象学者さんが提言した理念だそうです。
例えば、ある場所で蝶が羽ばたいた時にできるわずかな気流の渦は、それが大気中に伝搬される過程で、他の渦の影響で増大されたり、上昇気流の影響でさらに渦が増したり、海面からの熱エネルギーなんかを受けてチャージされて、渦が竜巻のように成長する場合もあります。
一方で、その羽ばたきの気流の渦は、すぐに衰退してしまって特に大気現象に影響を及ばさない場合もあります。
その渦がどのように成長するかは様々な不確定要素に影響されるので、予測不可能。
バタフライ効果について知った時、気象現象に限定されることではなくて、日常のあらゆる事象にバタフライ効果みたいな作用が起こっているように感じました。
例えば、同じような行動や努力をしている人でも、ある人はその行動の結果が実を結び、ある人はなかなか結果に繋がらない場合があります。
物事がうまくいく場合も、うまくいかない場合でも、自分の行動(蝶の羽ばたき)が小さな渦を引き起こすというところは共通している気がします。
うまくいく場合には、その小さな渦が、自然と周りの人から共感されて、協力してもらったり、同じような志の人と出会い協力できたりして、羽ばたきの渦が次第に大きく波及していって、やがて現実的な結果として身を結びます。
自分の羽ばたきに、うまく他力の要素が加われば、
実際の蝶の羽ばたきの渦が大気中を伝わっていく中で、他の渦によって増幅したり、熱エネルギーによってブーストされ、やがては竜巻になるように、
自分の小さな努力が大きな結果を結ぶこともあります。
一方でうまくいかない時って、どんなに頑張っても(どんなに蝶が羽ばたいても)その小さな渦にさらなるエネルギーが供給されずに、周りの協力を得られなかったりして、
すぐに消失してしまって、いい結果に結びつかないことが多いです。
そして羽ばたきの渦の成長を妨げる要因って、案外身近なところにある気がします。
それは自分が持っているネガティブな信念や価値観だったりすることが多いです。
かたくなな信念を握りしめていると、特定の状況に置かれると、どうしても同じようなネガティブな反応をしてしまったり、同じような感情が湧いてきてしまい、ネガティブなパターンを繰り返しやすくなったりします。
それが蝶の羽ばたきを減衰させます。
信念や価値観の多くは、自分の内側で頑なに握りしめている思い込み。
親や教師、社会によって自動的にインプットされたものもあるし、自分が生きていく中で経験としてインプットされたものもあります。
無力感の多くはこんな思い込みであったりします。
厄介なことに握りしめている信念って、自分では普遍的な現実だと信じて疑っていないために、それが妨げになっていることに気がつかないものです。
それが自動的に自分の願望などを打ち消してしまい、蝶の羽ばたきの渦が大きな形として現れる前に、減衰してなくなってしまう。
そしてそんな悪循環の原因がわからなくなってしまう。
何が自分の現実を制限している信念で、何がそうでないのか、それに気がつくことって本当に難しいし、大きな勇気が必要だったりします。
プライドの放棄であったり、エゴの完全な降参が必要になるからです。
瞑想することのひとつの利点って、自分の羽ばたきを打ち消すような思い込みや信念に気がつきやすくなることだと思うんです。
瞑想って、どんな人間にももともと備わっている生理状態のひとつなんだそうです。
睡眠中にはδ波、夢を見ているときはθ波という脳波が計測されるのと同じように、瞑想中にはγ波という独特の脳波が現れるそうです。
そのγ波が現れている時は、沈着した思考や感情といったものが意識の眼前に浮上してきて、それらを傍観しやすくなります。
それによって自分が持っているネガティブな信念や思い込みに気がつきやすくなります。
気がついた思い込みや信念は、瞑想中に少しずつ溶かされていき、解消され、手放すことができるようになります。
そして意識の場の内外での様々な摩擦が減少します。
蝶の羽ばたきのようなわずかな渦が、摩擦や散乱で減衰しないで伝わっていくようになります。
瞑想はそんな環境構築をしてくれるひとつのツールだと思います🦋
ALISでほっそりと瞑想に関わる雑記を書いていこうと思います