あなたのアルコール依存症に対するイメージはどのようなものでしょうか?
・意志が弱い
・だらしがない
・道徳が崩壊している
・反社会的な存在
・ずっとお酒を飲んでいる
と言ったところでしょうか?
私自身もこの病気になる前は同じようなイメージしか持っておらず、「あんなになったら、最後だな」と白い目で見ていました。
ところが、人間は一旦自分が痛い目に合うまで、大抵のことは「他人事」です。
まず最初にそれを感じたのは、妻が脳卒中で倒れて、障害者になった時でした。娘には「障害を持っている人には優しくするんだよ!」としつけをしましたが、どこか綺麗事で、決して自分事とは思えませんでした。
突然に自分ごとになるのです。妻は生まれつきに脳に血管に異常がありました。「ろれつが回らない」「足がからまる」などの症状が出ていたので、近くの脳外科で診てもらいましたら、「脳動静脈奇形(AVM)です。」と診断されました。
娘を生む時も「大丈夫でしょうか?」と訪ねましたが、「おそらく大丈夫だと思います。」という診断でした。
娘が小学校2年生の時に脳出血を起こして、近くの病院に運ばれましたが、大きな病院でないと処置ができないと大きな病院に運ばれました。私の会社に連絡が入り、その大きな病院に向かいましたが、その時に恐るべき真実を知るのです。
なんと、妻の病気には「ガンマナイフ」という治療方法があったのです。それを知らずに、町医者にしか行かなかったことをどれだけ後悔したことか。
様々な病院でリハビリをしてもらいましたが、妻が元の状態に戻ることはありませんでした。私や娘がだれであるか、だけでなく、彼女自身が誰かもわからない状態になってしまったのです。
障害者が自分ごとになったのです。それからは、障害者に対する見方が全て変わりました。車椅子で街を歩くと、バリアフリーになっていないところがたくさんあることに気が付きますし、お子様が障害を持たれている親御様を見かけると、その大変さもよくわかるようになりました。
私はこのSNSで
「アルコール依存症は誰もがかかる脳の病気です。早期発見がなりより大切です!」
と言い続けています。
おそらく多くの方は「アルコール依存症?自分には関係ないよ!」と感じられると思います。10年以上も回復ができなかった自分でさえ、そうだったのですから。
特にこの病気は「否認の病」と言って、簡単にアルコール依存症だとは認めません。
それで、痛い目にあってはじめて、気がつくのです。「このまま飲み続けていたら、後は死ぬだけだと」。
最初は二日酔いの回数が多くなり、そのうちに飲んでいた時の記憶をなくします。駅を乗り越したり、初期の段階では笑い話ですみますが、この病気は進行性の病気なのです。症状がどんどんと悪化していきます。
取引先の社長さんを接待中にとんでもない失言をしてしまい商談をパーにしてしまったり、自分で事業をしている社長さんは自分の事業をお酒でたたんでしまう方も少なくないのです。
「あぁ、二日酔いだ」というのが一日ですめばいいですが、それが何日も続いたり、お酒が原因で会社を休むようになるともう、ほぼアルコール依存症は確定です。
ただでさえ、リストラが進んでいる状況です。二日酔いで生産性を下げている場合ではないはずなのです。
会社での人間関係や仕事のストレスを解消しようとお酒を頼るわけですが、その痛みを回避できるのは一瞬だけです。
次の朝起きて、二日酔いになって、生産性が下がることはあっても、当たり前ですが、悩みや問題はそのままです。現実は何一つ変わらないのです。
調子の悪い状態でその悩みや問題に対処しようとしますから、解決方法も冴えないものとなり、どんどん悪循環になって、悩みや問題が大きくなっていくだけです。
それがストレスになり、さらにお酒を飲むという悪魔のサイクルにハマっていくのです。
もし、今日、例題としてあげた場面が少しでもあなたに当てはまるのであれば、今すぐこの病気の怖さを知ってください。そして、すぐに対処を始めてください。
もしあなたが、ストレスから逃れるための手段として、お酒を飲んでいるのであれば、遅かれ早かれ、アルコール依存症になってしまいます。
この病気は「誰もがかかる脳の病気です。」ドーパミンが暴走して、コントロールが効かない状態になるためです。「なんだそれ?どういう意味?」と疑問に思われる方は、詳しく解説をしましたので、「アルコール依存症のトリセツ(解説書)」をぜひ、御覧ください。
Masa