大学に行くのがかったるかったので今日は町にでた。
少し先にデバートがあるのだが、ミカヅキさんが入っていくのが見えた。
ミカヅキさんはサークルの先輩だ。メチャンコかわいい。これは僕の男子としての使命がミカヅキさんに特攻せよと言っている。
僕は小走りでデバートに入っていった。
こんにちはミカヅキさん。ミカヅキさんはニコリと笑ってくれた。シマリス君は何してるの?ということを聞かれたので大学が面倒なのでサボったんだよねと。
ミカヅキさんは何してるのか聞いたところそろそろ就職活動が始まるのでスーツを見に来たとのこと。ミカヅキさんは東京の会社に就職したいのだという。
ミカヅキ先輩がいなくなると寂しいな。僕はつい心の声を口にしてしまった。ミカヅキさんはもてもてのシマリス君にそんな事言われるなんてうれしいね。とうれしいことを言ってくれた。
そのあとカフェで盛り上がり別れたのはもう日がくれた後だった。
ほどなくして僕はミカヅキさんと付き合うことができた。でも付き合う頃には内定が出ていてミカヅキさんは来年の4月からは丸の内の会社で働くらしい。丸の内OLというやつだ。
僕の楽しい日々もあっという間に過ぎてしまいミカヅキさんは東京に行ってしまった。
6月になりだんだんミカヅキさんからのLineの頻度が減ってきた。研修が終わり部署に配属なったみたいだ。
僕は不安になった。東京のリーマンにミカヅキさんが奪われないかとても不安だった。
ありがちな終わり方だな。
僕は思った。
そして7月になりとうとうミカヅキさんに送ったメッセージは既読スルー。僕はとても悲しかった。大学にも行く気にならず家でゴロゴロしている日々が続いた。
もう自然消滅だよね。秋になった。
9月のある日、もう数ヶ月ぶりにミカヅキさんからLineが入っていた。
連絡をしなかったお詫びとこれからも付き合っていきたい旨がしたためられていた。僕はどう返事すればいいのか分からなかった。
既読スルーを人生ではじめてしてしまった。
また次の日、彼女からLineが入っていた。連絡の途絶えた時期は職場の先輩に心を奪われていたことの告白だった。
(ゆるさん。ワイン。小説の中でも俺の邪魔をするのか。)
僕は丸の内に就職して彼と戦うことを誓った。
おしまい