在日ジョージア大使館が2023年8月7日に「2008年8月のロシアによるジョージア侵攻15周年に際して」という文書を発表しました。文書は「本日は20 8年8月7日 ジョージアがロシア連 によって大規模な軍事侵略 受 てから15周年 迎え す」で始まります。ところどころ字が欠けています。
ロシア連邦は2008年8月7日にジョージアに侵攻しました。現在もツヒンヴァリ(南オセチア)やアブハジアはロシア連邦軍の占領下にあり、ジョージアの主権が排除されています。ロシア連邦に侵略された国土はジョージア全土の約20%になります。「2008年8月のロシアによるジョージア侵攻15周年に際して」は文書の約2割を欠字とすることでロシア連邦に侵略された実態を表現しています。
ジョージアのレジャバ駐日大使は以下のように指摘します。「占領されている地域では人権が保障されておらず、非常に懸念される。占領されているので家に帰れない人たちもたくさんいる」(「ジョージア駐日大使“世界がロシアの脅威軽視” 軍事侵攻15年」NHK 2023年8月1日)
文書では「 シア連邦」や「ロ ア連邦」などロシア連邦の国名の一部を削除しています。ロシア連邦への怒りを感じます。一方で「ジョ ジア」と自国も文字削除の対象にしています。この点でジョージア政府には相互主義の公正さがあります。
文書のタイトルには「ジョージア侵攻15周年」とあります。日本語の「何周年」はめでたい時に使うという固定観念があります。しかし、英語のanniversaryは過去の良い出来事だけではなく、悪い出来事を思い出すことにも使います。
ロシア連邦がジョージアに侵攻した名目は親ロシア派住民の保護です。これはウクライナ侵攻と同じです。ジョージア侵攻に対する国際社会の抵抗が弱かったからロシア連邦はウクライナでも侵攻を繰り返したと言えるでしょう。ジョージア侵攻はもっと知られて良い問題です。
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