テレビアニメ『ドラえもん』は2020年5月8日、「こころにささるおもいヤリ」「スケジュールどけい」を放送しました。「こころにささるおもいヤリ」は母の日の話です。値段と価値は比例しないという健全な価値観を提示しました。
のび太は母の日のプレゼントとして土手でタンポポを摘みます。これに対する、のび太のママの反応が素晴らしく、良い話になりました。値段をかければ良いというものではありません。スネ夫のママも良い人です。のび太のママと同じ価値観です。むしろ社長夫人だからこそ高級品だから良いというナイーブな価格信仰から脱却しているのでしょう。
のび太のママは2020年3月21日放送の「円ピツで大金持ち」では安くて良い物を買うことが楽しみと言い、のび太の浪費の誘いを断りました。高価な買い物をすれば楽しいというものではありません。
「円ピツで大金持ち」ではスネ夫の金銭感覚も健全です。のび太から「欲しい物ないか?何でも買ってやるぞ」と言われましたが、「普段から豊かに暮らしているから」と断ります。のび太とジャイアンの用心棒代を競争した際は、のび太の値段に100円だけ上乗せする地味な価格の出し方に終始しました。金持ちキャラですが、札束でひっぱたくことはしません。
「スケジュールどけい」はドラえもんが道具で酷い目に遭う話です。ドラえもんは「こころにささるおもいヤリ」で余計なことをしたので、罰が当たったのでしょうか。てんとう虫コミックス第3巻に収録されています。
「スケジュールどけい」は働き方改革が進展した21世紀から見ると昭和のブラックな働き方になります。ノー残業デーやプレミアムフライデーなど公務員的な働き方改革によって一律の時間管理が厳しくなった息苦しさとも重なります。時間管理が目的化したことの悲劇です。アウトプット重視への転換が求められます(林田力「東急不動産従業員の脳波センサー装着への違和感」ALIS 2019年10月6日)。
ドラえもんが土曜5時に引越し
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