「おっとっと」は1982年に発売された森永製菓の定番スナック菓子です。「おっとっと」のパッケージには赤い色をしたクジラのマスコットキャラクター(鯨野とと丸)が描かれています。
中身のスナックはヒトデやタコ、イカ、ウニ、マグロ、マンボウなど魚介類の形をしています。スナックが魚介類などの独特の形状をしているために、魚は最初に頭から食べて胴体を食べたり、反対に尻尾から食べたりというような食べ方にも楽しみがあります。時々、潜水艦やイカリやトト丸、ペンギンというレア物が入っていることもあり、それも食べる楽しみです。
味は「ソース焼きそば」や「たこ焼き」など複数種類ありますが、オーソドックスな味は「うす塩」です。「ノンフライ・カルシウムたっぷり」を標榜しており、その言葉通り、塩気は抑制気味で、さっぱりしています。そのため、腹にもたれず、軽く食べられます。
但し、生物を象った複雑な形状であるため、細かいくぼみが色々な箇所に存在します。その結果、食べる時に味が濃くなる部分が生じ、アクセントになります。食べ終わった後に、指についた粉を舐めることも美味しいものです。
「おっとっと」は非常にユニークな菓子です。「おっとっと」は私の子どもの頃から販売されていたが、子ども心に他の菓子とは違うユニークな存在として印象に残っています。ここでは3点ほど指摘します。
第一に商品名の「おっとっと」は商品の内容から想起できないものです。飲み屋での議論で、酒が杯からこぼれそうになり、「おっとっと」と思わず口に出たことが名前の由来とされます。
第二にスナックは魚介類の形をしているが、原材料に海産物を使用し、シーフード風味になっているものではありません。塩気が磯の風味を、そこはかとなく醸し出している程度です。
第三に商品のパッケージは「とと丸」が中心ですが、「とと丸」は標準ではスナックの中には存在しません。
「名は体を表す」という言葉があるが、「おっとっと」は名が体を表していないスナック菓子です。それが逆に強烈な印象を植え付け、つい買ってしまう菓子になっています。
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