皮膚や髪の健康に「浅漬けの定番」
キュウリ
(胡瓜) cucumber
◎旬=夏 ◎効能=むくみ・高血圧・腎臓病・暑気あたりの改善、脱毛予防
インド、ヒマラヤ山麓原産のウリ科の一年生つる植物。世界的に普及した野菜のひとつで、インドでは3000年も前から栽培され、日本には10世紀頃に渡来してきた。
スイカやキュウリなどのウリ科の植物には、カリウムやイソクエルシトリンという利尿作用の強力な成分が含まれているため、利尿の必要な病気である高血圧、心臓病、腎臓病、肥満症などに用いると大変効果がある。
ただし、キュウリは南方産で、体を冷やす陰性食品である。
暑がりの陽性体質の人が前記の症状を患っている時に利用すると効果はてきめんだが、冷え性の人にはかえって逆効果になることがある。
そのため、冷え性の人はぬか漬けや浅漬けにするなど、塩を加えて陽性に変えてから食べる工夫が必要。
半面、この体を冷やす性質は、ほてり、暑気あたり、日焼け、やけどに用いると効果的。
栄養素としては、ビタミンC、カリウム以外はほとんど期待できない、というのが、一般論だが、皮膚や毛髪の健康に不可欠な成分であるケイ素が含有されていることはあまり知られていない。
また、キュウリの苦味成分は、ククルビタミンA・B・C・Dという4種類の物質で、このうちククルビタミンCには抗ガン作用が、ククルビタミンBには強肝作用があることが証明されている。
【民間療法】
二日酔い……コップ1/2~1杯の生汁を飲む。
やけど・打ち身……すりおろしたキュウリに小麦粉を加えて練り、ガーゼか布に塗ったものを患部に当てて湿布するか、キュウリを薄切りにしたものを、直接患部に貼る。
むくみ・高血圧・心臓病・腎臓病……ニンジン・リンゴ・キュウリの生ジュースを朝食代わりにゆっくり飲む。
むくみ……2本のキュウリを輪切りにしたものに、小豆3gを加え、600gの水を張った鍋に入れて、半量になるまで煎じた汁を、1日2~3回に分けて飲む。
脱毛・爪の発育不良……ニンジン・キュウリ・ピーマンの生ジュースを朝食代わりに飲む。
●肝臓病・黄疸……キュウリの皮200gと水コップ2杯(3608)を鍋に入れ、弱火で半量になるまで煎じたものを、1日3回に分けて温服する。