こんにちは。現在東京大学の4年で大学休学中で個人で開発の仕事などしているもので、最近はEthereumによるDappsの開発案件なんかも参加したりしています。今回はブロックチェーンやコミュニティビジネスについて自分が思っていることを書いていこうと思います。
先日、友人が悪名高い(アムウェイの方いたらすみません)アムウェイをやっていることを知り、ネットワークビジネスについて考えていたのですが、それがブロックチェーンにおけるコミュニティビジネスに近いなあと感じたので、自分の考えていることを書いていきます。
内容はざっと
・コミュニティビジネスについて
・現状のALISやブロックチェーン界隈について
と言った感じになると思います。
僕は悪名名高いアムウェイも、ALISというメディアも、本質的な構造はかなり近いと思っています。ただ詳しい内部事情を知っているわけでは無いので、あくまで概論的な感じで受け取ってもらえると助かります。
まずコミュニティビジネスというものは、基本的に創始者やアーリーアダプターほど得をする仕組みになっていて、組織が広がって末端から入る人ほど損する(あるいは高くつく)仕組みになっています。
アムウェイなどのネットワークビジネスだとわかりやすいですが、後に入った人の手数料や権利収入の一部は紹介者がもらえる仕組みなっているため、最初に始めた人ほどねずみ講的に紹介者が増殖し、潜在的な加入者も含めた全体のパイはある程度限界があるため、得をする一方で後から入った人は儲けることが難しくなります。
コミュニティビジネスも同様で、コミュニティートークンの価値を上げるためにはコミュニティへの加入者を増やす必要があり、最初に入った人はトークンの価値が低い段階でトークンを購入・取得できる可能性が高いため、コミュニティの成長にしたがってより多くの価値を享受できるようになります。
もちろんそれは単純なトークンの価値という点だけでなく、アーリーアダプターとして持っている情報やノウハウ、コミュニティ内でのマナーを熟知しているなどの点でも早く入った人の方が有利になります。
*もちろん、ALISはねずみ講的に手数料を積み重ねる仕組みでは無いと思うので、MLMなどの仕組みとは違うと思いますが、ここで指摘したい点は異なります。
何が問題か?
上述したように、ネットワークビジネスやコミュニティビジネスはコミュニティの価値をあげることや、加入者を増やすことが目的になりがちなので、以下のような状況に陥りやすいと思います。
・(仮に無意識であっても)必要以上に友人や周囲の人間を勧誘する
・内部で独自の文化が形成され、(良くも悪くも)宗教っぽくなる
・コミュニティの中で稼げない人や一向に地位の上がらない人が出てくる(アムウェイだと稼げない人、ALISだとブログを全然読んでもらえない、とか?)
・異なる思想を持った、または近い思想を持ったコミュニティと対立する
これは、必ずしも悪いことではなく、独自通貨や価値観を持ったコミュニティを形成する以上、避けられないことかと思います。
以上のようなコミュニティ形成、コミュニティビジネスの前提を踏まえて現状ALISやブロックチェーン界隈がどうなっているか。
個人的に、ALISはとても面白いサービスだと思っていますし、ブロックチェーン技術にもすごく期待しています。Dapps開発もしています。ただ、客観的に見たときにすでにALIS信者的な人も、ブロックチェーン信者的な人も存在している一方で、多くの人はまだまだブロックチェーンやその上で動くサービスは怪しいものだと考えています。
一方で内部の人たちは皆、自分が所属するコミュニティの思想や通貨を広げたいと思っています。その中で過激派のような人たちが現れて、他のコミュニティやサービスと対立したり、必要以上に周囲の人間を勧誘することも十分考えらると思います。またALISで思うようにトークンをもらえずコミュニティを出てしまった人が、外部でALISを批判しているかもしれません。
ブロックチェーンが分散化を謳い、独自通貨やコミュニティが増える一方で、その数だけ対立が増えるようなことになると、なんのためのテクノロジーなのか良くわからないなと思っていて、アリスや、イーサリアム、ブロックチェーンの健全な?発達のために、内部では大いに盛り上がるべきとは思う一方で、異なるコミュニティの批判や対立をせずに、個人が複数のコミュニティに所属することが許容されるような文化ができていけば良いなと思っています。
友人がアムウェイをやっていると聞いて、ふと思ったことをガーッと書きました。
twitter: @yamamoto_ban