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Nouns DAOの凄さを解説 ―究極のNFTコレクション&DAO―

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  • パジ×かねりん【NFTとメタバースに関する考察】
  • 2022/01/22 06:16
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今日は、現時点で『究極のNFTコレクション&DAO』との呼び声高い「Nouns DAO」(ナウンズ・ダオ)について解説します。

公式サイト:Nouns DAO

NFTにDeFiとDAOを組み合わせた最先端事例と思われるので、DAO・NFT・DeFi領域に興味のある方はぜひ抑えておくべきでしょう。

ひとつのNFTが、100ETH以上もの高額で購入され続けているというという凄さも確かにありますが、「Nouns」が注目されるべき本質的な理由はそこではありません。 Web3.0的エッセンスが詰め込められている革命的な凄さを、ぜひ知ってほしいと思います。 Nounsを知ることは、NFTの新しい可能性を知ることに他なりません。 それでは、解説していきます。

1日1体、キャラクターが自動生成される

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「Nouns DAO」には、10人の創業者(「Nounder」創始者Founderをもじった造語)がいます。 ピクセルアートの神・eBoy氏が制作したドット絵イラストです。 元Vine創業者で「Loot」でもWeb3.0的アプローチで成功中のDom氏も参画しています。 「Nouns DAO」は、1日1体、「Noun」というイラスト(キャラクター)が自動生成されていきます。 そして自動的にオークションが開始され、24時間以内に落札者が自動的に決まっていく仕組みです。

イラストの組み合わせは、 背景(2)、体(30)、アクセサリー(137)、頭(234)、メガネ(21) の中から生成されます。

Nounsの最初のシリアルナンバー1のドット絵を、”クジラ”と呼ばれるイーサリアム長者(xaix.eth)が613.37ETHで購入しました。 それにより、コレクタブルNFTとして注目度が一気に増しました。

その後も、1体100ETH、200ETHなどの高値で飛ぶように売れているのです。 なぜそんなことが起きているのでしょうか?

その特徴的要素を大きく分けると、「フルオンチェーン」と、「斬新な収益構造」です。

アート的価値、フルオンチェーン

Nounは、スマートコントラクト経由で、イーサリアムのフルオンチェーンのNFTがランダムに描かれるピクセルアートです。 レア度などのステータス設定は無く、シンプルでユニークなドット絵イラストです。 購入前にイラストを見ることができるため、ガチャ要素で射幸心を煽る仕組みを取り入れているわけでもありません。

イーサリアムのフルオンチェーンということで、「永続性」「確からしさ」の点では現時点で最高峰の技術の結晶といえます。

参考記事:「フルオンチェーンNFT」入門講座

また、「CC0」を宣言しており、世界中の誰もがこのキャラクターを使ったビジネスを自由に展開することが可能です。

CC0(シー・シー・ゼロ)とは 著作権が生じている著作物やデータについて、自発的に権利を放棄して、パブリックドメインにしようという宣言。

フル・オンチェーンに永続的に存在するデータ(=キャラクター)であれば、物理法則のように、他のサービスとコンポーザブルな相互連携が安定的に行えます。 土台が堅牢なため、レゴブロックのように他のシステムを組み合わせていくことで、新たなサービスを生み出せ、その可能性やスケールは無限大です。

またNounは、毎日1体のペースで永久に自動発行され続けるシステムとなっており、1年を通しても365体しか発行されません。 10年後でも、この世に3,650体しか存在しないという、希少性の高いNFTコレクションです。

希少性の高さがピンと来ない方は、他のNFTコレクションと見比べてみましょう。 「1万体を一気にリリース!」が主流の既存の海外のNFTコレクションと比てみると、生成数の少なさがわかって頂けると思います。 24時間毎に、ドット絵のNFTが自動生成され、自動的に公式サイト上でオークションがスタート。 それを延々と繰り返します。 オークションには運営者の手心などを加えられる余地はなく、プログラムに従って自動的に動いています。 入札者は、ENSで誰が入札しているかも明らかになるため、オークションがより白熱する仕組みになっています。

WEB3的で斬新な収益構造「DAOが運営する投資ファンド」

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収益構造

「Nouns DAO」の、Web3.0的で、革命的な点は、ここからです。 毎日オークションで落札されるNFTの売上は、Web2.0までのビジネスであれば、10人の創業者たちに入ってくるのが当然です。 ところが、「Nouns DAO」では、売上金は全額、Nouns DAOの「トレジャリー・ウォレット」(=共同口座)に自動的に振り込まれます。 誰にも中抜きされないし、創業者10名の元へは、1円も渡りません。

そのかわりに、10人の創業者たちは10日に1回(10体に1体)、「Nouns」のNFTを無料でもらえる設計にしているのです。 最初の5年間、10体に1体を自動的に創始者らのマルチシグウォレット(共同管理用のウォレット)に自動的に送られ続けます。 つまり「Nouns DAO」の創業者たちは、「Noun」の全体数の10%を保有しているのです。 5年を経過した後は、どんどんと創業者らの保有率は下がっていき影響力が薄れていきます。 小売の視点で考えると、「メーカーが販売している商品をメーカー自身が10%分もらうだけで、なぜかトップオフで売上を取らない。」という不思議なムーブをしているわけです。 実は、これがとてもスマートなのです。

報酬として売上げを受け取らず、NFTを受け取ることの意味

視点を変えると、「Nouns DAO」で日々生み出されるNFTコレクションは、「みんなで盛り上げて、人気が出ていくと価値があがる可能性があるS/O(=ストック・オプション)」のようにも機能します。 10人の創業者たちは全体の10%分のS/Oをもらい受けることで、他のNFTオーナー(「Nouner」Ownerをもじった造語)たちと、立場を同列に揃えているのです。

ストック・オプションとは 株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利。

NFTの価値が上がらなければ、10人の創業者たちは収益をあげようがない状態にあえて立場を落としている点が革新的です。 NFTのオーナーやコミュニティのメンバーたちとの”共犯関係”に落とし込んでいるのです。 「Nouns DAO」コミュニティの他のメンバーにとって、10人の創業者たちは支配者ではなく、先に開発コストというリスクを負ってくれた、コミットの強い”仲間”となるのです。

収益の使い道やDAOの方針は、ガバナンス投票で決める

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「Nouns」のNFTの売上はトレジャリーに振り込まれ、すでに数十億円分のETHが集まっています。 そして、このコミュニティウォレット内のお金の使い道は、Nouns DAOの投票によって決められます。 NFTを持つオーナーが、NFTを投票権としたガバナンス投票によって、この資産の使いみちを決めます。 「Nouns」が盛り上がり、資産価値が高まりそうな有意義な使いみちに、民主主義的に予算が振り分けられるわけです。

これまでに、35もの議案が提出されており、

慈善団体への寄付の議案 AppleWatchアプリの開発の議案 コミックの制作の議案 新種のアマガエルモドキの種に名前を付ける議案 国際宇宙ステーションに3DプリントされたNounを送る(諸費用63ETH)

などの議案がこれまでに可決されています。 思っていたよりも遊び心に溢れていて人間味を感じます。

参考:議案はこちらから確認出来ます

トレジャリーウォレット内の資金は、NounのNFTを持つ人たちで、別のNFTコレクションを買うなどして資産運用を行います。 運用であげた投資益はDAOに還元され、再びNFTコレクション等で資産運用を行うなどして資金を増やして行きます。 この循環の仕組みを、NFTのみで実現している点が斬新です。

非中央集権、中央集権、どちらへ向かうか

尚、実は「Shark DAO」という共同購入DAOが、複数のNounを購入しています。 この場合、Shark DAOの一人が代表として、「Nouns DAO」で投票をすることができますが、Shark DAO内で、投票に関する議論を行うことが可能です。 「Nouns DAO」に参加するのは、イーサリアム長者の”クジラ”だけでなく、複数名が参加する別のDAOも存在しているのです。 この事実は、より多くの人間がNouns DAOの投票に間接的に参加できることを示しています。

今現在では、一部の「クジラ」と言われるイーサリアム長者が一気に買い占めたNFTの価格は高騰し、大量売りすれば価格が下落しと市場が翻弄されることがしばしば発生します。 そこへ、Shark DAO的な少額投資でも誰でも参加できるNFTファンドが分散的に成立すると、NFTコレクションの市場価格に対してより多くの民意の反映できる可能性があります。 ただし一方で、NFTファンドが一部の”クジラ”に支配されると、逆の道をたどり中央集権化していく可能性もあり得ます。

また面白いことに、Nounの供給量が少ない初期の間は、創業者らには特別な拒否権を与えられています。 なんだよ中央集権じゃないか! かと思ったら、そうではありません。 拒否権を与えている意図は、初期にNounが十分に分散化されていない時に悪意のある議案が通らないように(一部のクジラによる乗っ取りも起こらないように)との予防措置。 「明らかに有害なガバナンスの提案が可決された場合」にのみ使用され、最終手段として用意されています。 とはいえ結局中央集権的じゃ無いかと思うかも知れませんがご安心を。 Nounの供給が増えて十分に分散化され、安全だと判断されたとき、この拒否権は永久に剥奪されるのです。 拒否権剥奪の判断は、コミュニティのガバナンス投票によって行われるとしています。

Web3.0では「コミュニティ」が重要なカギを握ることになると、さまざまな有識者たちにが口を揃えて語っています。 「Nouns DAO」は、従来は上下の関係だったサービス提供側とコミュニティの関係性を、横の関係性に揃えることで、そのコミュニティに最大限信頼される究極の振る舞い方を我々に教えてくれているかのようです。

まとめ

NFTが毎日自動的に生成され、販売され、資金が集まり、オーナーたち全員で使いみちを決めるDAO。 世界中の人々から資金を集めて、ボランティアではなくビジネス性をもたせて、独自キャラクターをボトムアップ型で創り出していこうという壮大な計画が、中央のいないオンチェーン上の仕組みで動いているのです。

イーサリアムxフルオンチェーンとすることで、スケーラビリティを最大化し、オンチェーン上で自動生成することでキャラクター創作者の権力をゼロに近づけ、売上の使いみちの意思決定をコミュニティに委ねる。 すべてが美しく計算し尽くされ設計されています。 Web2.0以前には行えなかった新しいスキームを完成させているのです。

ここまで、"暗号資産"が出てきていないことにお気づきでしょうか。 「Nouns」は、”NFTのみ”のキャラクター創出プロジェクトなのです。 これと同じ仕組みを用いれば、別の目的をも実現させるWeb3.0時代の真のポテンシャルを示しています。

法律を守りつつ「Nouns DAO」のこの日本版を作ったら!? と思うと興奮を抑えきれません。

※この記事は、パジ(@paji_a)の発言をベースにかねりん(@kanerinx)が編集して記事化しています。
※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

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