クリプト

【Snapshot.org】DAOの運営に欠かせないガバナンス・トークンの投票所

パジ×かねりん【NFTとメタバースに関する考察】's icon'
  • パジ×かねりん【NFTとメタバースに関する考察】
  • 2021/12/18 06:06
Content image

 

NFTに触れていると、『Snapshot(org)』というURLを見かけることがあります。 これは、まだ一般の方々にはあまり知られていないと思われる「ガバナンス・トークンの投票所」です。 近頃話題のDAOとも非常に密接な関係にあるので、今日は、Snapshot.org について解説します。

Snapshot.org

 

Snapshotは、先日、有力なベンチャーキャピタルから400万ドル(=約4.5億円)を資金調達したことで話題になりました。 創設者のFabien氏は、将来的にはSnapshot自体のガバナンス・トークンの配布も示唆しました。 ガバナンス・トークンを扱う投票所だからこそ、サービス自体のガバナンス・トークン配布への期待感も高まります。

関連記事:Snapshot Labsが400万ドルのシード資金を調達し、DAOガバナンスソリューションを構築

ガバナンス・トークンとは?

ガバナンス・トークンとは、「ブロックチェーン系コミュニティの意思決定するための投票権」のことです。 Snapshotは、ガバナンス・トークンで投票を行うための投票所。 NFTでブロックチェーンを知った人にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、「Uniswap」や「AAVE」など数多くの有力なプロジェクトが採用している投票所です。

中央集権的な存在がいないブロックチェーン・プロジェクトでは、コミュニティ内で意見が分かれてしまった場合、そこで身動きが取れなくなってしまいます。 そこで、「投票」を行って進むべき方針を民主的に決定する仕組みが必要になります。 Snapshotは、すでにその分野において独占的なポジションを築いている代表的なWeb3.0投票所なのです。

Snapshotでの投票の仕組み

Snapshotのサービスに、メタマスクなどのウォレットを接続します。 次に、各プロジェクトごとに指定されたトークンに応じた票数を署名付きで投票します。

ENSなら、 $ENS トークンで投票する。 NinjaDAOなら、 $CNGTトークン(仮)で投票する。

というイメージですね。

一度投票するとキャンセルはできず、改ざん不可能な投票が行えます。 株式と似ており、ガバナンス・トークンの枚数が投票数になることが一般的です。 つまり、ガバナンストークンを5000枚持っていたら5000票ぶん投票できる、というイメージです。

Snapshotは、Ethereum Name Service(ENS)を保有していれば、誰でも投票所を設置することができます。 ここでいうENSとは、 $ENSトークンのことではなく、ENSのドメインのことです。 「paji.eth」のような、「~~.eth」という文字列のことです。

関連記事:ENSとはなにか? 関連記事:ENSの運営がDAO化されることの意義

あなたがNFTコレクションを運営していて、コミュニティのみんなでDAO(自律分散型組織)へ移行を目指しているとします。 ENSで”確認”を取ると、Snapshot上でプロジェクトごとに投票所を作ることができますよ。

Snapshotの活用事例:「Loot」

Snapshotの活用事例を、ひとつ紹介しましょう。 「Loot」というNFTのプロジェクトがあります。 このプロジェクトは、コミュニティ向けに初期配布された7,777枚のNFTを投票権とした最初の決議によって、 $AGLD というガバナンス・トークン(ERC20)による投票制度に切り替わりました。

Lootは当初、Discord内にいたひとりのエンジニアが、LootのNFTを持っている人を対象にして1NFTあたり1万枚の非公式のガバナンス・トークン= $AGLD を引き出すことができるようにして、無償配布をしました。 それが後に、Snapshot上の投票により、"公式"のガバナンス・トークンとなったのです。(画像参照)

 

※当時の投票で僅差で可決されたログ。

AGLD をはじめ、ガバナンス・トークンは、暗号資産と同じERC20という規格で作られているため、UniswapなどのDEX(自律分散型取引所)でも流通します。 AGLDはバイナンスやコインベースなど大手取引所にも上場し、10,000枚無償配布された$AGLDに500万円ほどの価値がついた(時価総額)ので話題となりました。

CoinGecko:$AGLDの価格

妄想が膨らむガバナンス・トークン

ちなみに、Snapshot上の投票は、ガバナンス・トークン(ERC20)でも行えますし、NFT(ERC721)でも可能です。 また、Delegate(デリゲート)と呼ばれる「国会議員」的な代表者に投票権を一任するような機能にも対応しています。場 ここまで整っていると、将来はブロックチェーンで”国家”が作れるかもと妄想が膨らみます。

収益分配や要職など、プロジェクトの未来を決める重要な意思決定に影響を与えられるのがガバナンス・トークンです。 まるで株式のような機能を持ち出していることも、注目を集める1つの要因でしょう。 ただし、法的な保護が無いことや、活用次第では証券性も帯びてしまう可能性があることには注意が必要です。 日本では、下手をすると法に触れる可能性があるため、活用する際には詳しい弁護士等に相談した方がよさそうです。

DAOには欠かせない存在の"ガバナンス・トークン" そしてブロックチェーンを通じて投票できる"Snapshot"

今後、資本主義社会において一般的な組織の形をディスラプト(破壊)するといわれる「DAO」にとって、最重要パーツのひとつになりそうな予感をひしひしと感じますね。

※この記事は、パジ(@paji_a)の発信をもとにかねりん(@kanerinx)が編集してNFT記事化しています。

※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです。(JPYCの投げ銭も可能)

Supporter profile icon
Article tip 1人がサポートしています
獲得ALIS: Article like 36.27 ALIS Article tip 10.00 ALIS
パジ×かねりん【NFTとメタバースに関する考察】's icon'
  • パジ×かねりん【NFTとメタバースに関する考察】
  • @kanerin
パジのNFTやメタバースに関する思索や考察を、かねりんが記事にしています。※この記事の元投稿は、HiDΞで連載中のマガジンです→https://hide.ac/magazines/uH2UWlPjw

投稿者の人気記事
コメントする
コメントする
こちらもおすすめ!
Eye catch
クリプト

【DeFi】複利でトークンを運用してくれるサイト

Like token Tip token
54.01 ALIS
Eye catch
クリプト

バイナンスの信用取引(マージン取引)を徹底解説~アカウントの開設方法から証拠金計算例まで~

Like token Tip token
3.50 ALIS
Eye catch
クリプト

【第8回】あの仮想通貨はいま「テレグラム-TON/Gram」

Like token Tip token
69.90 ALIS
Eye catch
クリプト

【初心者向け】$MCHCの基本情報と獲得方法

Like token Tip token
32.32 ALIS
Eye catch
クリプト

Uniswap v3を完全に理解した

Like token Tip token
18.92 ALIS
Eye catch
クリプト

Polygon(Matic)で、よく使うサイト(DeFi,Dapps)をまとめてみた

Like token Tip token
236.30 ALIS
Eye catch
クリプト

ジョークコインとして出発したDogecoin(ドージコイン)の誕生から現在まで。注目される非証券性🐶

Like token Tip token
38.31 ALIS
Eye catch
クリプト

Eth2.0のステークによるDeFiへの影響を考える。

Like token Tip token
44.10 ALIS
Eye catch
クリプト

NFT解体新書・デジタルデータをNFTで販売するときのすべて【実証実験・共有レポート】

Like token Tip token
121.79 ALIS
Eye catch
クリプト

17万円のPCでTwitterやってるのはもったいないのでETHマイニングを始めた話

Like token Tip token
46.60 ALIS
Eye catch
クリプト

2021年1月以降バイナンスに上場した銘柄を140文字以内でざっくりレビュー(Twitter向け情報まとめ)

Like token Tip token
38.10 ALIS
Eye catch
クリプト

コインチェックに上場が決まったEnjin Coin(エンジンコイン)コインを解説

Like token Tip token
21.49 ALIS