こんにちは!@katakotoです。「それアントノプロスに聞いてくるわシリーズ」(2回目にしてすでに呼び捨て)早速本題の“Keeping Digital Communities Weird (デジタル・コミュニティを“おかしな”ままにしておこう!)”の翻訳に取りかかります。
お招き頂きありがとうございます。とても光栄です。ポーランドには初めて来ました。ヨーロッパ中、旅行したんですがどういうわけかポーランドには来たことがありませんでした。ワルシャワでの滞在をとても楽しんでいますし、とりわけこのイベントのために来れてとてもワクワクしています。このイベントを企画して私のワルシャワ滞在を実現して頂いた事、そしてご参加くださった皆さんに大変感謝します。
私のプレゼンテーションのタイトルは“プログラム可能なお金の未来”ですが、実はこれがタイトルではありません。全部のプレゼン用のタイトルをこれにしてるんです。なぜなら、プレゼンのだいたい2時間くらい前まで、これから話す事を決めていないからです。なので皆さんと同じくらい、私自身がちょうど今日これから話すことが判明してびっくりする事になるんです。
では、聴衆の皆さんから少し情報をもらう所から始めたいと思います。残念ながら(ポーランド語だったので)私の前にフィリップが話していた事が理解できなかったので。
ここにいらっしゃる方で、暗号通貨を保有している、もしくは人生のどこかで少なくとも1回は取引した事があるという方は何人いるでしょうか?
全員ですね(笑)わかりました。いいですね。私にとってやりやすいです。暗号通貨とは一体全体何なんだみたいな事は説明しなくて良いようです。飛ばして本題に入れます。
今日はコミュニティについて話したいと思います。
オンラインとオフラインその両方で、どのようにして面白くてエキサイティングなコミュニティを作るか。
私は人生でたくさん旅をしてきました。たくさんの異なった場所で暮らしてきました。
そして私はいつもある決まったタイプの界隈に惹きつけられている事に気づきました。たくさんのアーティストやミュージシャンがいる場所に住むのが好きなようなのです。風変わりな小さなコーヒーショップや、人々がライブ・パフォーマンスを行う何だか変なバーがある地域に暮らすのが好きなのです。そこではバンドやミュージシャンやアーティストに会えます。壁にグラフティ(落書き)がある場所に暮らすのも好きです。
たぶんそういった場所、少なくとも私が住んでいた場所は、そんなに安全ではありません。分かりますよね。少し危険ですらあります。
実際の所、しばしばその界隈では、私がこの地域で暮らす唯一の白人である事に気づくことも多かったです。もしくは、私だけが地元民ではないかです。
でも、こうした界隈は長続きしません。アーティストやミュージシャン、貧乏な学生たち、こうした地域に暮らしていた人々は、そういったエリアが大好きです。なぜって賃料が安いから。なぜって地域開発がまだ起こっていないから。なぜって、表現の機会があるからです。
おかしくて風変わりな事や、あまり安全でない環境その全てがあった事で、たくさんのちょっと変わっててクリエイティブな人たちがやって来たのです。
必然的に、そんな界隈に十分長い事暮らしていると、他の人達も気づきだします。そしてそこは“クール”な場所になり始めます。そしてその場所が“クール”になり始めると、そうする余裕のある人々が、その界隈めがけて引っ越し始めます。そしてますますリッチな人々がこうした界隈に引っ越しだすのです。
1年か2年後には、町の角にはスターバックスが登場します。風変わりで奇妙なミュージシャン達みんながいたバーは、ギャラリーやブティックに取って代わられます。以前よりちょっとだけもっと高所得者層向けの、もっと高価な衣服を売るんです。
そして賃料が値上がりし始めます。不動産価値が上がり始めます。ほどなくして自分たちが引っ越してきた理由だったアーティストやミュージシャン、面白い人たちはみんな、そこではもう家賃が払えなくって暮らせなくなります。そして引っ越していきます。そしてその界隈は最終的に、若いプロフェッショナル達でいっぱいに…スーツを着て、毎朝会社に出勤し、9時から5時まで働くんです。スターバックスコーヒーを片手にね。彼らはとっても忙しくて常に電話しています。
そしてそんな地域は今や、クソみたいなもんです。
あなたはまた引っ越して、また“クール”な場所を探すんです。このサイクルの繰り返し。
“Gentrification”(高級化)、アメリカではこの現象を表現するのにこの言葉を使います。
その界隈を面白くしていた全部の事は、そんなに長くはそこに住んでいなかった、全ての風変わりでおかしな人たちだったと分かったわけです。
そしてもし、あなたがクリエイティビティと表現活動でいっぱいの環境で暮らしたいとして、そうした環境に起こりうる最悪の事は、商品化、企業化、マーケティングです。
なぜなら、そうしたクールな何かがあったとして、そのクールで本物の何かを手に入れ、そしてそれをコカ・コーラやナイキのためのマーケティング・キャンペーに変えてしまったのなら、それはもうクールではないからです。
その時まで彼らが“クール”だと思っていたものは、もはや“クール”ではありません。
それは真正さを台無しにします。金が注ぎ込まれ、真正さの全ては失われます。
今回はここまで。
ジェントリフィケーション(英語: Gentrification)とは、都市において比較的貧困な層が多く住む中下層地域(インナーシティなど都心付近の住宅地区)に、再開発や新産業の発展などの理由で比較的豊かな人々が流入し、地域の経済・社会・住民の構成が変化する都市再編現象である
引用はWikepediaより。
GoogleやFacebookがやってきてサンフランシスコで起こった事例が一番有名ですね。日本では数年前に山田孝之氏が赤羽のGentrificationを試みて失敗に終わっています。(あれはそういうんじゃないって)
気の合う仲間たちが、自然と気楽に集まって、緩いルールの中わいわい面白がってやってた事が、マスに見つかって一気につまらなくなってしまうのは、ネット上に限らず様々なコンテンツで良く見られる事です。
ある有名なクリエイターはこれをもっと端的に過激な言葉で
と表現していました。アントノプロスさんの話は、これからインターネットが一番面白かった黎明期のコミュニティがバカに見つかるまでのお話に移っていきます。乞うご期待。
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