2015年、呉美保監督により制作された日本映画。
中脇初枝による同名小説が原作となる作品。
「児童虐待」をテーマに、大人や子供の色々な視点のキャラクターから描かれた作品。
上映時間は121分。
あらすじ
今作は3つの物語の3人の主人公、それぞれの視点から物語が描かれる。
・サンタさんの来ない家 桜が丘小学校の教師として勤続2年目となる「岡野匡」は、
小学校4年生のクラスの担任だった。
まとまりのないクラスに翻弄される岡野であったが、
「とある事件」をきっかけに問題はあらぬ方向へ動き出す。
・べっぴんさん
幼稚園に上がる前の一人娘、「あやね」の母を務める主人公の「水木雅美」は、
単身赴任中の旦那の不在、 そして日常のイライラによってあやねに強く当たってしまっていた。
そしていつしか、あやねの体には、痣が増えていく...。
・こんにちは、さようなら
通学路のそばに1人で住んでいるあきこは、身よりもなく、認知症の恐怖におびえながら、
生活する日々を送っていた。
そんなあきこの唯一の光、それは朝、「こんにちは、さようなら」とあいさつをしてくれる、
障がいを抱える小学生の男の子だった。
出演役者
小学校教師の岡野匡を演じるのは「高良健吾」
あやねのお母さんである専業主婦、水木雅美を演じる「 尾野真千子」
雅美のママ友である大宮陽子を演じるのが「池脇千鶴」
認知症を恐れる独居老人、佐々木あきこを演じるのが「喜多道枝」
見どころ①「3つの視点から描かれる短編ストーリー」
今作の映画の面白いところ、それは間違いなく、
3つの短編ストーリーの同時進行、という点だろう。
そしてこのストーリーは同じ町で繰り広げられる話であり、
共通の内容として情報は共有される。
同じ町で、それぞれの子供の問題に向き合い、
悩みながら成長していく作品構成はとても新しくも、面白い構成である。
見どころ②「大人と子供、両方の視点からの物語」
今作のもう一つの面白い点、それは大人と子供、
両方の視点から物語が描かれていることにある。
子供側の家庭事情だけでなく、大人側も相応の問題を抱えていて、その問題をも描き、
違和感なく2時間の映画に納められたのはとてもうまくできた構成だろう。
そして大人が子供を救う描写だけではなく大人が子供に救われるシーン、
この「共生」こそが本作品の重要なテーマとなるだろう。
配信コンテンツ
「きみはいい子」は今現在、
Amazonプライム、U-NEXT、Hulu、等で配信されている。