(前回の記事もこのアイキャッチだったので、同じのを使っています。ヴォエのある風景in台湾)
台湾で映画産業にブロックチェーンを導入することで、産業の隆盛を目指している「SELFPICK」の取り組みについては、以下の記事に書き留めました。
今回はこの記事で触れた映画の記者発表があり、普段はブロックチェーンや仮想通貨に関する話題を報じないメディアでも取り上げられていましたので、続報として記事にしようと思いました。
ワントピックで別記事、ということになりますが、ブロックチェーンに関わるプロジェクトの続報というのも大切かなと思いますので、書き留めておきたいと思います。
・「トークン×ムービー」の商業映画「聖人大盗」
・トークンを介して映画と現実を結ぶ⁉︎
・映画は「没入型エンターテインメント」への入り口に過ぎない⁉︎
台湾のガジェット系ニュースサイトの「T客邦」は2018年8月22日付の記事で、SELFPICKが「聖人大盗」の記者発表会を開催し、映画製作のスケジュールや概要について公表したことを伝えています。
この記者発表の様子は、台湾の有名なテレビ局である「TVBS」など、普段はブロックチェーンや仮想通貨の話題を取り上げないメディアも報じていて、注目度の高さが感じられます。
その要因は、香港映画界のビッグネームである曾志偉さんが中心的に関わっているというところが大きいでしょうけれど、そこに「トークン×ムービー」という要素が絡んでいることも、注目を集めているようです。
「T客邦」の記事には、映画の内容が以下のようにまとめられています。
電影主角想透過區塊鏈技術,扳倒資本主義世界的掌權者,卻意外撞上了時代的風口,並在上位者的設局之下,成為翻轉世代不公的青年偶像,同時陷入了龐大的利益爭奪。
(映画の主人公はブロックチェーン技術によって、資本主義世界の支配者を倒そうと考えていたが、思いもよらず時代の波に巻き込まれ、かつ上位者の力によって、世代間格差をひっくり返す青年アイドルとなり、同時に大きな利益争奪戦に嵌っていく)
「ブロックチェーンvs資本主義」、「世代間格差」、「利益争奪」…って、なんだか無性にワクワクしませんか?
さらに、今回の記者会見に合わせて公開された特設ウェブサイトには、以下のようなキャッチコピーが掲げられています。
「聖人不死,大盜不止。」在這個富者愈富、貧者愈貧的世界中,如果你手中握有翻轉未來的技術和想法,你會選擇成為既得利益者、坐擁一切的大盜;還是當一個改變世界,卻失去所有的聖人?
(「聖人は死なず、盗人は止まず」。この、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる世界で、もしあなたが未来を変える技術や考え方を手に入れたとしたら、あなたは既得権者となって、あらゆるものを持つ盗人になるか?それとも、世界を変える、すべてを失った聖人になるか?)
現代社会をテーマにする映画のように感じられますが、こうした設定になっているのは、この映画の特徴である「トークン×ムービー」とも関わっているように思います。
「トークン×ムービー」というSELFPICKの取り組みについては冒頭に挙げた記事にまとめましたが、今回公開された映画の特設サイトには映画と現実をつなぐ方法として、①「發行SELF數位資產」、②「電影場景再現」、③「全球首部區塊鏈電影」という3点が挙げられています。
①は「SELF」という独自トークンが、作品中と現実世界で同時に発行され、これから展開される多様なサービスで活用できるようにすること、
②は映画のセットは撮影後も保存されて実際に足を運べるような場所にすること、
③は「看片挖礦」に観客が参加することでより深くブロックチェーンの世界に入ることができると説明しています。
「看片挖礦(ムービーマイニング?)」がどういうものなのかはよくわかりませんが、観客がトークンを購入、もしくは取得し、それを活用できるリアルなプラットフォームとしての役割を映画が果たす…といったようなイメージが語られているようです。
特設サイトにはアドレス登録のページがあり、登録者が2,000人を超えると30秒の導入曲公開、3,000人を超えるとトレーラームービー公開などが予定されているようです。
僕も登録して、今日現在で1,647人の登録があるようです…これから予定通りに多くの人々の登録があるかどうか、楽しみです。
冒頭の記事にも書きましたが、SELFPICKが目指しているのは、「トークン×ムービー」によって、映画と現実を結びつけ、観客を映画の世界に誘うというだけではなく、総合的な「沉浸式娛樂生態圈(没入型エンターテインメントエコシステム)」を構築し、映画の世界をリアルに再現するというビジョンの実現です。
映画はそのための第一歩であり、映画の特設サイトにも「加入新世界(新世界へ行こう)」というアイコンが設置されています。
映画は2018年10月にクランクイン、年末には予告ムービーが公開され、2019年夏の公開を目指しているということです。
その後、ホワイトペーパーによれば2020年には現実世界でトークンエコノミーを実現するエンターテインメントプレイスの完成を目指しているとのことです。
こうした計画が現実に進むかどうかということは、今回の映画がヒットし、「トークン×ムービー」の試みが受け入れられるかどうかということにかかっていると思います。
ひとつの映画製作に止まらない、なかなか壮大な「仕掛け」が施されていますが、果たしてこれから実現していくのか…
台湾メディアの注目を集めた今回の記者会見…今後も続報が出てくるはずなので注目して動向を追いかけていきたいと思います!
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