実家でいろいろと昔のものを整理していると、こんなぬいぐるみが出てきました。
僕が中学生だった頃に流行った、UFOキャッチャーで取れるぬいぐるみです。
モチーフになっているのは、オグリキャップ。
競馬に詳しくない人でも、名前は聞いたことがあるかと思います。
1980年代後半、地方の笠松競馬場で連勝を重ねて、鳴り物入りで中央競馬に上がってきた「芦毛の怪物」。
中央では同世代のスーパークリークやイナリワンとともに「平成三強」と呼ばれていました。
距離適性としてはマイル〜中距離という感じで、安田記念やマイルCSなどを制覇していますが、2500mの有馬記念も2回勝っています。
特に、引退レースとなった1990年の有馬記念は、直前のレースで惨敗し、「オグリは終わった」と言われていたところからの奇跡の勝利…
僕も中学生ながら、テレビで見て感動したことを覚えています。
そんなことをふと思い出したのは、次のようなニュースに触れたからです。
オグリキャップの血統が途絶えてしまう…という記事です。
いわゆる父系の血筋(サイヤーライン)を受け継ぐ唯一の種牡馬に繁殖相手が現れない。
たとえ相手が現れて繁殖が成功したとしても、その子が男の子、かつ健康に成長しないと、そこでサイヤーラインは途絶えてしまうという状況になっているようです。
オグリキャップの血統は、良血とは言えないものでした。
そんななかから、「芦毛の怪物」と呼ばれるスーパーホースが生まれてくるところが、競馬の奥深さでもあります。
ですが、それは同時に、オグリキャップが「スーパーホースであるが故の孤独」を深める要因ともなったように思います。
オグリキャップは引退後、種牡馬として多くの子どもを輩出しますが、ほぼすべての子どもたちは、期待されたほどの結果を残すことができませんでした。
結果の出ない種牡馬は淘汰されていくのもまた、競馬の世界。
オグリキャップもその波に、あるいはその血に抗うことができなかったということかもしれません。
個人的には、オグリキャップの初めての子どもだったオグリワンが、皐月賞までそこそこの活躍をしたこと。
そして、オグリキャップの半妹(母馬が同じ)だったオグリローマンが桜花賞を勝ったことなどが、合わせて思い返されます。
でも、これまでの競走馬たちの中で、僕が一番好きだったのは…
有馬記念、3年連続3着という「偉業」を果たしたナイスネイチャだったことを、最後に付け加えておきます。
これもまた、競馬の魅力。