(台北で若者が集まる西門町。今はH&M。昔はマクドナルドでした)
以下の記事にも書き留めましたが、台湾ではここのところ、ブロックチェーンに関する技術やサービスを開発している企業が株式上場を果たしているようです。
ブロックチェーンを含めたさまざまな事業を展開している企業が上場しているようですが、それだけブロックチェーンへの注目が集まっているように感じます。
今回も、台湾でブロックチェーン・仮想通貨に関する技術を開発している企業が株式上場を予定しているという情報を目にしましたので、書き留めておきたいと思います。
・台湾の「智慧光」が新興市場に上場予定
・コールドハードウェアウォレット開発のフロントランナー?
・ブロックチェーンへの注目度は高まっている?
台湾の報道機関である「中央通訊社」のニュースサイトに2018年12月3日に掲載された記事によると、台湾のフィンテック(金融科技)総合企業である「智慧光(SmartDisplayer)」が同年12月5日に新興市場に上場(興櫃)予定ということです。
記事によれば、智慧光は「可視卡」という、ディスプレイが埋め込まれたカードを主力商品として開発している企業ということです。
ディスプレイが埋め込まれたカードというのが、いまいちイメージできなかったのですが、智慧光の公式ウェブサイトには自社の技術を使ったサービスである、韓国の「CLiP Card」のイメージ動画を見てなんとなく理解できました。
特に、「OTPカード(One Time Password Card)」では世界シェア2%、200万枚をすでに出荷しているということです。
また、クレジットカードなどを登録できる「オールインワンカード(多合一卡)」では2019年度第四四半期までに韓国、日本、台湾、シンガポールでの発売を予定していて、3年以内にユーザー数を170万人、普及率1%を目指すということのようです。
日本も市場進出の対象に挙げられていますが、フィンテックをめぐるセキュリティの問題にうまくリンクしていくかどうかが普及の鍵になりそうですね。
また、上に挙げた2つ以外に注目されるのは、智慧光が仮想通貨のハードウェアウォレットを開発しているというところです。
上にリンクを貼りました智慧光の公式サイトには、台湾のウォレット開発スタートアップである「CoolBitX」の「CoolWallet S」の紹介動画が掲載されています。
CoolBitXは、日本のSBIホールディングスが出資したことで日本でも知られていますね。
ただ、上に挙げた「中央通訊社」の記事によれば、今のところ全世界の仮想通貨ユーザーを「3,000万人」と見積もると、智慧光が開発したカード型ウォレットの普及率はまだ1%に満たないということなので、まだまだこれからということのようです。
それでも、2018年度第二四半期の智慧光の主力製品の出荷割合は、OTPカードが62%、カード型ウォレットが20%、オールインワンカードが13%ということですから、徐々にデジタルウォレットの出荷量を増やしていることが見て取れます。
3年以内には世界シェアの10%を取りに行くと明言しているようですが、仮想通貨の世界的な普及度合いに大きく左右されそうですね。
今回の智慧光の上場については、「中央通訊社」以外にも台湾の大手経済紙である「工商時報」でも記事として取り上げられいて、仮想通貨のデジタルウォレット開発についても触れられています。
冒頭に挙げた僕の過去記事で取り上げた、台湾のフィンテック開発企業である「普鴻資訊」の上場が話題になっていることと合わせて考えてみると、ブロックチェーン関連企業の上場が注目されているのかなと感じます。
もちろん、これらの企業はブロックチェーンに関する技術だけをおこなっている企業ではありません。
ですが、投資情報のひとつとして、必ずブロックチェーンや仮想通貨に関する情報にも言及されていますから、そうした側面も大切なポイントとして捉えられているように感じます。
台湾では投資に熱心な方も少なくないので、こうした側面からブロックチェーンや仮想通貨に対するポジティブな感情が広がっていくことも大切かなと思います。
技術開発企業の動きは一見すると地味に見えますが、その分、地道に普及を支えていく動きでもあると思いますので、こうした動きもコツコツと拾っていきたいと思います!