2018年5月から毎月1回公表されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「Global Public Chain Assessment Index(全球公有链技术评估指数)」の第11回リストが、2019年3月22日に公式ウェブサイトで公開されました!
前回のリストで新たに「TRON(波场)」が評価対象となり、全部で35のパブリックチェーンが評価されるようになりましたが、今回、新たにリストアップしたものはなかったようです。
そのせいか、これまではまずリストだけが公表され、その1週間後にスコアが公表されるという段取りで評価が公開されてきたのですが、今回はいきなりスコアの入ったリストが公開されました。
すっかり油断してました…💦
ということで、少しタイミングが遅くなりましたが、以下、過去の評価と合わせたリストを、総合評価、および総合評価を構成する3項目のスコアも合わせて挙げておきます!
過去のリストと評価基準などについては、これまでの記事を以下にまとめてあります。
また、今年初めに公表された2018年の総括記事には、CCIDの評価基準について解説されていますので、合わせて読んでいただければ嬉しいです!
本リストの発信元は「CCIDブロックチェーン研究所(赛迪(青岛)区块链研究院)」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回のスコアと順位を、過去5回(2018年10月〜2019年2月)の総合評価と過去の順位(丸括弧内に明記)を加えてまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
(今回の記事もスペースの関係上、最新のスコアと過去5回分のスコアのみを並べる形で掲載しました。2018年5月〜9月までの分については、上に挙げました過去記事のリストをご参照ください)
2019年に入ってからの過去2回のスコアは、比較的増減の激しい動きになっていたのですが、今回のスコアはどのパブリックチェーンも2018年の大まかな平均値に近いスコアになっている印象があり、やや落ち着いたかなと感じます。
前回から評価対象となったTRONも含め、上位3つのスコアが飛び抜けて高いということも含めて、全体的な順位はそれほど大きく変わっていないようです。
そうした中で、大きくスコアが変動したのが、17位のTezos(前回スコアから11.4ポイント増)、21位のNANO(11.1ポイント減)で、増減それぞれに大きく変動しています。
そのほか、30位のBytecoin(9.7ポイント増)と32位のLitecoin(9.5ポイント増)と、比較的下位のパブリックチェーンのスコアが大きく動いています。
とはいえ、スコアの平均値は落ち着いてきているようなので、評価の視点は固まってきたのかなと思いますね。
上に挙げた総合点のリストは、「Basic-tech(基础技术水平)」、「Applicability(应用层级)」、「Creativity(创新能力)」という3項目の評点を合計した点数に基づいたものになります。
以下、それぞれの項目についても、過去5回分の評点と合わせたリストを挙げておきます。(それぞれの順位は第11回の評点に基づいています)
①Basic-tech(基础技术水平)
②Applicability(应用层级)
③Creativity(创新能力)
今回はこれら3つの評価の総合評価に占める割合に若干の調整が行われたようで、①64%、②20%、③16%と、①を1ポイント減、③を1ポイント増と調整されています。
ただ、こうした配分でスコアが出されていることからもわかるとおり、①の評価が総合的なスコアに大きく影響する傾向にあります。
今回、スコアを大きく下げたNANOは、①の評価が下がっていることがわかります。
(ただし、過去のスコアの変遷を見ると前回の評価が飛び抜けて高く、今回のスコアが平均的な数値かなということもうかがえます)
他方、今回スコアを大きく上げたTezosは②の評価が、BytecoinとLitecoinは③の評価が大きく向上しています。
基礎的・基本的な技術の開発状況がスコアに大きく影響すると同時に、応用に関わる部分の評価も総合的なスコアの変動に関わってくるということがうかがえます。
技術開発の大きな動きを、スコアとして反映させているように感じますので、具体的な動きと合わせて見ていければと思います。
今回のスコア公表と合わせてCCIDは評価のポイントを公表していますが、その内容によると、Dapps開発プラットフォームである上位3つ(EOS、TRON、Etherium)のパブリックチェーンが高評価となっていることを強調しています。
このように「プラットフォーム系」のパブリックチェーンに高い評価が付くというのは、このインデックスが始まった当初から、CCIDによる評価の基本的な方向性として見られる傾向です。
また、今回のスコアでは、「イーサリアムコンスタンティノープルアップデート完了(以太坊君士坦丁堡升级成功完成)」といったような動きがパブリックチェーンを巡って起こった場合に、スコアが上がるということにも言及されています。
2018年5月から始まったパブリックチェーンインデックスですが、今回の評価までに少しずつ評価の視点も公表され、評価基準も明確になってきています。
次回のインデックスが12回目…この1年間の評価が出揃うことになりますので、CCIDからのアナウンスが何か出てくるかもしれません。
こうした点に注目しながら、コツコツと情報を追いかけていきたいと思います!