2018年5月から毎月1回公表されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「全球公有链技术评估指数(Global Public Chain Assessment Index)」の第7回リストが、2018年11月21日に公式ウェブサイトで公開されました。
前回のリスト公表が大幅に遅れたので、今回はどうかな…と思っていましたが、ある程度予定通りに公表されたのでホッとしました^^;
今回も含めて、過去3回は新たにリストアップされたプロジェクトはなく、現在公表されている33のプロジェクトを評価していく方向性が継続しています。
今回も過去の評価と合わせたリストを、総合評価、および総合評価を構成する3項目のポイントも合わせて挙げておきます!
・CCIDのインデックスについて
・第7回パブリックチェーンアセスメントインデックス
・3つの評価の変遷
・評価の傾向と今回の注目点
・とりあえず1年間はデータを蓄積していきます!
過去のリストと評価基準などについては、これまでの記事を以下にまとめてあります。
インデックスの公式サイトや公式Twitterのリンクも貼ってありますので、合わせてご覧いただければ嬉しいです!
本リストの発信元は「赛迪(青岛)区块链研究院(CCIDブロックチェーン研究所)」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回の順位にしたがって、7回分の総合評価と過去の順位(丸括弧内に明記)を並べたものをまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
前回の第6回リストでは10ポイント前後、数値が動いたものがいくつかありましたが、今回は15位のEthereum Classicが9.6ポイント上昇、19位のNULSが8.0ポイント下落しているほかは、それほど大きな変化はありませんでした。
5ポイント程度の変化があったのは、7位のNEO(5.0ポイント下落)、13位のBitcoin(5.0ポイント上昇)、20位のMonero(6.3ポイント上昇)、25位のHcash(4.7ポイント上昇)、32位のNEM(5.9ポイント上昇)となります。
前回の第6回リストの時の記事で少し触れましたが、NULSは今回が4度目の評価ということで、前回大幅な上昇が見られましたが、まだまだ評価が固まらないなと思っていたら、今回は大幅なポイント下落となりました。
全体的に、だいたい4〜5回の評価を経て数値が固まってくる印象があるので、NULSやTezosは今回の数値が基本的な評価ポイントになるかもしれません。
前回の第6回リストでだいたい4グループぐらいに分かれてきたかなと書きましたが、今回の結果を見ると…
①EOS&イーサリアム
②100ポイント以上(BitShares〜Ripple、過去ポイントの変遷からいえばStellarも)
③90ポイント以上(Komodo〜IOTA)
④90ポイント未満
ぐらいのグループに、評価が固定されてきたかなと感じます。
上に挙げた総合点のリストは、「基础技术水平(Basic-tech)」、「应用层级(Applicability)」、「创新能力(Creativity)」という3項目の評点を合計した点数に基づいたものになります。
以下、それぞれの項目についても、7回分の評点と合わせたリストを挙げておきます。(それぞれの順位は第7回の評点に基づいています)
①基础技术水平(Basic-tech)
②应用层级(Applicability)
③创新能力(Creativity)
「基础技术水平(Basic-tech)」の数値が全体評価に大きく影響していることがうかがえると同時に、それぞれの項目での評価も少しずつ固まってきたのかなと感じますね。
それぞれの評価基準については、過去記事にも書いてきましたが、総合評価へのウエイトが高い「基础技术水平(Basic-tech)」については、「スマートコントラクト>特定の応用機能>デジタル貨幣のトランザクションサポート」の順に点数が高いといわれています。
こうした評価基準のもと、EOSやイーサリアムのような、いわゆる「プラットフォーム・インフラ系」のプロジェクトが高く評価される傾向にあるといわれています。
今回の評価を見ると、EOS・イーサリアムの「2強」に迫る勢いで、BitSharesの評価が着実に上がっていることがわかります。
BitSharesは、公式ウェブサイトのトップページに「Industrial-grade decentralized platform」というキャッチコピーが掲げられているように、あらゆる産業のなかにブロックチェーンを導入するための、分散型プラットフォームの構築が目指されています。
とりわけ、「Decentralized Autonomous Cooperation」という仕組みの上で、あらゆる企業活動の分散化・自動化をサポートする事業を展開しているということです。
BitSharesの評価が上がっているのは、やはりこのプロジェクトが「プラットフォーム・インフラ系」であることが大きな要因になっているといえそうですね。
今回のリストにはハードフォークによる分裂騒動が起こっているBitcoinCashも変わらずリストアップされ、これまで同様に評価がなされていますが、次回以降はどうなるか分かりません。
万一、BitcoinCashがリストから消えた場合は、新たなプロジェクトがリストアップされることがあるかもしれません。
また、NULSやTezosなど、そろそろ評価が固まってくるプロジェクトもありますし、BitSharesが上位2強に食い込んでくるかどうかも気になります。
ブロックチェーンに関するプロジェクトについて見ていくためのひとつの指標として扱うためには、もう少しデータの蓄積が必要かなと思います。
とりあえず1年間はデータを蓄積していきたいと思いますので、これからもコツコツと情報を追いかけていきたいと思います!