(夜の街に浮かび上がる台北駅。ライトアップがすごいです^^;)
ブロックチェーンの技術やサービスが発展していくためには、スタートアップによる活発な技術開発が必要不可欠ですね。
そして、多彩なスタートアップが生まれ、事業展開を進めていくためには、スタートアップを育て、伸ばしていく環境の整備を欠かすことができません。
そのような環境整備のなかで、インキュベーター(孵卵器)やアクセラレーター(加速器)が果たす役割は重要だと思います。
台湾でも、スタートアップアクセラレーターとして長年の実績を誇る「AppWorks」によるアクセラレータープログラムが注目を集めています。
今回は、この記事に書いたAppWorksによる第17期プログラムメンバーの「修了式」が開催されたということで、続報として書き留めておきたいと思います。
・第17期メンバーによる「AppWorks Demo Day」が開催
・ブロックチェーン・仮想通貨関連の第17期メンバー
・これから生き残っていくのは?
台湾のスタートアップアクセラレーターである「AppWorks」は2018年11月8日に開催した、2018年8月から4か月間おこなわれた第17期のアクセラレータープログラムのメンバーによる「AppWorks Demo Day」の様子を公式ブログに掲載しています。
この記事は、台湾のネットニュースサイト「Knowing新聞」にも転載され、台湾の経済紙「經濟日報」でも報じられていて、一定の注目を集めているようです。
冒頭に挙げた僕の記事でも触れましたが、今回のプログラムは特に「AIとブロックチェーンのスタートアップ(AI 與區塊鏈新創)」の育成に注力したものとなっていて、今回登壇した25グループ中、AI・IoT関連が17グループ、ブロックチェーン・仮想通貨関連が8グループだったということです。
これらのスタートアップの創業者やグループメンバーのなかには、e-Bay、HTC、ASUS、Proofpointなどで働いていた経歴を持つ人々や、シリコンバレーのスタートアップ支援プログラム「Y-Combinator」の修了生も含まれているということで、業界の注目度も高く、1,200名を超える投資家や業界のキープレイヤーが集まったそうです。
今回のDemo Dayに登壇した8つのブロックチェーン・仮想通貨関連のスタートアップは、AppWorksの公式ブログによれば、以下の通りです。
Xrex(台湾)、Chicken Park(台湾)、Funders Token(台湾)、Pointree(台湾)、Nceno(アメリカ)、Mobile.cards(香港)、BizWitcher(台湾)、Anker(台湾)
これからの躍進が期待されている、というよりも、もうすでにサービスを開始しているところもあります。
以下、公式ウェブサイトを参照しながら、どんなスタートアップなのか、書き留めておきたいと思います。
いきなりなんですが、リンクから飛ぶと「Coming soon」となります^_^;
AppWorksの記事には、以下のように書かれていますので、仮想通貨取引のセキュリティやスケーラビリティなどの問題を解決するための技術開発をおこなっているようです。
Xrexが推進しているXrex Crypto Services(XCS)は、PaaSやSaaSモデルによって、コンプライアンス、セキュリティ、スケーラビリティなどを含むソリューションをクリプトマーケットを構築し、運用する企業と組織に提供する。
(推出的 Xrex Crypto Services (XCS) ,以 PaaS 和 SaaS 模式,提供建構與運作 Crypto 市場的企業與機構,包括 compliant、secure、scalable 等面向的解決方案套件。)
公式サイトを見ればすぐにわかりますが、イーサリアムベースのブロックチェーンゲームを開発するスタートアップのようです。
今のところ、「Chickin Park」というニワトリを養成したり、魚獲りを楽しんだりするゲームが公開されているようです。
AppWorksの記事によれば、魚獲りゲームは公開から1か月ほどで1,000人のユーザーを獲得したということです。
公式サイトに上がっているロードマップによれば、2019年にはスマホゲームやMMORPGの公開を予定しているということで、これからの開発進行状況が楽しみですね。
公式ウェブサイトのトップに、「The world’s leading blockchain Infrastructure provider with modularised solutions for products and information enhancement.」というキャッチコピーが掲げられているように、企業のブロックチェーン導入をサポートする技術を開発・提供するスタートアップのようです。
公式サイトには、IoT導入やスマートシティ実現のためのソリューションや「Super Hybrid Exchange」と名付けられた取引所の説明が掲載されていますが、2018年11月9日現在、実際のサービスにアクセスできるのは、「Tokenisation D-Platform」の部分となっているようです。
当該ページには独自トークンの発行プラットフォームが公開されていて、テストネットでは、すでにいくつかのトークンが発行されています。
(トークンの使い道はよくわかりませんが…あと、なぜか日本語対応されています!)
これから、台湾の企業や公共機関を中心に、企業への導入が進んでいくかどうかが重要になってきそうですね。
中国語名を「集點樹」といい、ポイント管理アプリを開発しているスタートアップになります。
このスタートアップについては、すでに以下の記事に書き留めてありますのでご参照ください!
公式ウェブサイトの説明によれば、トレーニングのモチベーション向上のためにトークンを活用した支援プログラムということのようです。
「Set a goal, stake some cash, workout for a payout.」という、「ぶら下げたニンジン」感のあるキャッチコピーが掲げられています。
現在、100人のアーリーアダプターによるα版がスタートしているということですので、その結果次第で、これからのサービス展開が変わっていくのかなと思います。
公式ウェブサイトによれば、個人商店などがポイントサービスやスマホアプリを導入するための支援サービスを提供しているようです。
先に挙げたPointreeは、ポイントサービスの統合に特化したプラットフォームの構築を目指していますが、こちらはポイントサービスだけではなく、CRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)全般をワンストップサービスとして提供することを目指しているということです。
AppWorksの記事によれば、すでに200を超える加入店舗を獲得しているということです。
台湾のデジタルアセット取引プラットフォームで、台湾・新北市が設置した「ブロックチェーン推進室」によるサポートも受けるということで注目されています。
詳細については以下の記事に書き留めてありますので、ご参照いただければ嬉しいです!
アドレスはhttp…
公式ウェブサイトのトップには、「ワンタッチでデジタルアセット投資 世界初のソーシャル仮想通貨ファンド(一鍵投資數位資產 全球第一個社交型加密貨幣基金)」というキャッチフレーズが掲げられています。
「ソーシャル仮想通貨ファンド」というのは、仮想通貨への投資に「プロの投資マネージャー(專業經理人)」が実際におこなっている投資プランをコピーして投資できる(複製交易)といったことをセールスポイントとしたシステムのようです。
実際に、公式サイトには「ベストマネージャー(最佳經理人)」のページがあり、投資実績やポートフォリオが公開されていて、「コピートレード(複製交易)」のボタンが準備されています。
技術的には、EOSベースのブロックチェーン、AIや「Tensorflow」という機械学習のプラットフォームを活用していることが掲げられています。
AppWorksの記事によれば、投資初心者(投資新手)に向けたサービスということなので、プロの投資家から投資を学んでいきましょうというプラットフォームなのかもしれませんね。
AppWorksのアクセラレータープログラムはこれまでに多くのスタートアップを輩出してきていますが、今回の第17期プログラムは特に、AI・IoTとブロックチェーンに注力したプログラムとなっていたようです。
AppWorksの記事で、AppWorksの共同創業者の林之晨さんは、「10年間、発展を遂げてきたモバイルインターネットは飽和状態に入り、AIとブロックチェーンのふたつが次世代のメガパラダイムシフトを生むでしょう(發展10年的Mobile Internet開始出現飽和,AI、Blockchain接棒成為下一代的兩個Mega Paradigm Shifts)」と述べて、この2分野にこれからも取り組んでいくことを表明しています。
こうしたビジョンを踏まえれば、台湾のブロックチェーンスタートアップの多くが、これからもここから生まれていき、業界の発展につながるかどうかは、今回の第17期メンバーのプロジェクトが成功するかどうかにかかっているように思います。
どれもいろいろと注目されるプロジェクトだと思いますので、これからの動きがどうなっていくか、コツコツと情報を追いかけていきたいと思います!