2018年5月から毎月1回公表されることになっている、CCID(中国电子信息产业发展研究院)による「全球公有链技术评估指数(Global Public Chain Assessment Index)」の第8回リストが、2018年12月20日に公式ウェブサイトで公開されました。
今回はOntology(中国語で「本体」)が初めてリストアップされました!
過去3回は新たにリスト入りするプロジェクトがなかったので、新たな動きが生まれたといえます。
今回も過去の評価と合わせたリストを、総合評価、および総合評価を構成する3項目のポイントも合わせて挙げておきます!
・CCIDのインデックスについて
・第8回パブリックチェーンアセスメントインデックス
・3つの評価の変遷
・評価の傾向と今回の注目点
・評価対象となるプロジェクトは増えるか?
過去のリストと評価基準などについては、これまでの記事を以下にまとめてあります。
インデックスの公式サイトや公式Twitterのリンクも貼ってありますので、合わせてご覧いただければ嬉しいです!
本リストの発信元は「赛迪(青岛)区块链研究院(CCIDブロックチェーン研究所)」で、リストは公式ウェブサイト「CCID赛迪区块链」に掲載されています。
詳細は上記のウェブサイトを見ていただくとして、以下、今回の順位にしたがって、8回分の総合評価と過去の順位(丸括弧内に明記)を並べたものをまとめましたので、画像として貼り付けておきます。
…だんだん、数字や文字が小さくて見づらくなってきましたね。工夫しないと^^;
初リスト入りしたOntologyがKomodoと並んで4位に入っています。
今回、10ポイント前後の数値変動があったのは、GXChain(12.4上昇)、Komodo(13.9上昇)、NULS(18.2上昇)、Zcash(9.1上昇)の4つとなっています。
NULSはなかなか評価が安定しないと思っていましたが、よくよく見ると、今回大幅なポイント上昇が見られたKomodoも評価が安定しませんね。
Ontologyもあと2、3回の評価を見れば、少しは傾向が見えてくるかもしれません。
全体的な傾向としては、EOSとイーサリアムの「2強」状態は変わらず、その下もStellarぐらいまでが100ポイント以上のグループというあたりで固定化されてきた感じでしょうか。
今後、新たなリスト入りプロジェクトが増えてくるとまた流動的になると思いますが、そろそろ各プロジェクトの評価が固定されてくるかなぁと感じています。
上に挙げた総合点のリストは、「基础技术水平(Basic-tech)」、「应用层级(Applicability)」、「创新能力(Creativity)」という3項目の評点を合計した点数に基づいたものになります。
以下、それぞれの項目についても、8回分の評点と合わせたリストを挙げておきます。(それぞれの順位は第8回の評点に基づいています)
この3つの要素のうち、今回、評価の変動が大きかったのは、「③创新能力(Creativity)」だったのはないかと思います。
この部分については、今回の評価を発表したCCIDの分析記事によれば、「パブリックチェーンコードの更新状況(公有链代码更新情况)」が数値に大きく影響しているということです。
ここで大幅なポイント上昇が見られたKomodoについては、分析記事中に、「コード更新データを再計算した(代码更新数据做了重新核算)」ということで、数値の見直しがあったようです。
この点が、全体的なスコア上昇に影響していることがうかがえますね。
これまでの記事にも書いてきましたが、それぞれの評価基準について、総合評価へのウエイトが高い「基础技术水平(Basic-tech)」は、「スマートコントラクト>特定の応用機能>デジタル貨幣のトランザクションサポート」の順に点数が高いといわれています。
こうした評価基準のもと、EOSやイーサリアムのような、いわゆる「プラットフォーム・インフラ系」のプロジェクトが高く評価される傾向にあるといわれていて、今回のリストで高評価となったOntologyも、そうした傾向に合致するプロジェクトとして評価されているといえます。
Ontologyについてはすでにさまざまな解説記事がネット上に公開されていて、よく知られていますね。
ALISでも、アルトコインの分析記事を多く上げている蟻巣ジョシさんがOntologyそのものや関連プロジェクトについて詳細な記事をあげたり、仮想通貨の赤ちゃんさんがOntologyミートアップの様子をアップされています。
CCIDの評価基準から考えると、Ontologyは今後も高いスコアを獲得する可能性が高いのではないかなと思っています。
過去3回は新たにリスト入りするプロジェクトがありませんでしたが、今回はOntologyのリスト入りに合わせるかのように、全体的な評価の傾向にも少し変化がありました。
評価対象が増えると、また全体的な傾向が変わっていくこともあるのかな…と思うと、今後の評価に新たなプロジェクトが加わるかどうかも注目だと思います。
あと4回、このペースで評価が続くと1年間のデータが蓄積されることになります。
あともう少しデータの蓄積を進めて分析につなげていけたらと思いますので、これからもコツコツと情報を追いかけていきたいと思います!