ブロックチェーンが技術として普及していくための方法のひとつとして、エンターテインメントへの活用が期待されますよね。
「ブロックチェーン×エンターテインメント」の取り組みとして、台湾では映画産業へのブロックチェーン活用が模索されています。
以下の記事に書き留めてきましたが、台湾のSELFPICKがブロックチェーンをテーマに据えた「聖人大盗」という映画の制作を進めてきました。
制作記者発表があったのは2018年8月ということで、そこから1年2か月、ようやく…
ということで、記事として書き留めておきたいと思います!
・予告ムービーでワクワクしますよ!
・台湾の映画賞にもノミネート⁉︎
・SELFトークンがBitAssetに上場⁉︎
・映画のヒットがブロックチェーンの隆盛につながるか?
公開に先駆けて、予告ムービーが公開されています。
ちなみに、2018年8月時点でのトレーラームービーが、こちら。
これを見た時は、正直、「映画の作品としては、どうかなぁ…」という気持ちもありました。
そのうえで、今、公開されている予告ムービーが、こちら!
だいぶテイストが変わりましたけれど…
ブロックチェーンがメインテーマになっていますけれど、サブテーマとして「ブロックチェーンvs資本主義」、「マネー戦争」、「世代間格差」といったような内容も絡んでいて、なかなか深いストーリーになっているようです。
ダブル主演の曾之喬さん(予告編キャプチャ左側の女性)と曹晏豪さん(右側の男性)をはじめ、若い役者さんたちに混じって存在感を放っている香港映画界のビッグネーム曾志偉さん(曾之喬さんの後ろ)がいい味を出しています。
上映時間も107分と、ちょうど良い長さ!
ブロックチェーンをテーマにしたという話題性だけにとどまらない作品になっていたらいいなぁと思います。
実際に、作品としての注目度も高まっているようです。
たとえば、台湾の有名なケーブルテレビ局の「東森電視」のニュースサイトでも記事になっていますし、ネットニュースサイトの「今日新聞NowNews」にも、独占インタビューが掲載されています。
さらに、台湾の映画賞としては有名で日本でも知られている「金馬獎」の「最優秀新人監督部門(最佳新導演)」に、「聖人大盗」のメガホンを取ったSELFPICK創設者の徐嘉凱さんがノミネートされています。
(上の「東森電視」の記事へのリンク、写真の男性が徐嘉凱さんです)
ブロックチェーンをテーマにしているという話題性だけではなく、一般的な映画作品としても注目を集めていることがうかがえますね。
「聖人大盗」はブロックチェーンをテーマにした作品ですが、この作品が世界で初めての「ブロックチェーン映画(區塊鏈電影)」と呼ばれているのは、単純にテーマとして採用したということだけにとどまりません。
この記事の冒頭にリンクを貼った僕の過去記事にも書き留めていますが、この作品を作ったSELFPICKは、今回の作品を「ブロックチェーン×エンターテインメント」によるエコシステムを実現するための第一歩として位置づけています。
SELFPICKはこのエコシステムを「没入型エンターテインメント(沉浸式娛樂生態圈)」と名付けていて、実際にそうした経済圏を支えるトークン「SELF」を発行しています。
「聖人大盗」の制作にあたっても、以下の公式ウェブサイトで公開されているように、SELFトークンによるICOやトークン購入による優待イベントなど、トークンを介して作品と一般の人々を結びつける仕組みが実施されてきました。
また、作品公開に先立って、2019年10月1日には台湾の仮想通貨取引所「BitAsset」にSELFトークンが上場されました。
BitAssetについては以下の記事に書き留めていますが、グローバルな展開を志向した金融経験者の創設による新興取引所として注目を集めています。
グローバルな取引所でトークンが上場されたことで、台湾の人々にとってSELFトークンは、フィアットや他のトークンと交換可能な「資産」として位置づけられたことになります。
こうした動きと映画の公開が相まって、トークンの「資産」としての価値が向上していけば、SELFPICKが掲げるエコシステムの実現もまた近づいていくように感じます。
「聖人大盗」の制作発表から1年2か月。
ICOの実施や各種イベントの実施など、着々と作品完成に向けた動きを見せてきたなかで、ようやく作品公開となったことはそれだけで素晴らしいことだなと思います。
あとは、この作品が一般的な映画作品並みに、あるいはそれ以上にヒットするかどうかが、台湾のブロックチェーンのこれからに影響を与えるような気がします。
日本と同様に、台湾でもブロックチェーンは仮想通貨に対する印象の悪さの影響を受けて、一般の人々の印象はそれほど芳しくないように感じます。
そうした状況のなかで、このような作品が評価されて受け入れられることは、SELFPICKが考えるエコシステムの実現に近づくだけではなく、こうした動きに続く新たな動きが生まれてくるきっかけにもなると思います。
そうした意味では、台湾の「ブロックチェーン×エンターテインメント」のこれからを占う試金石ともなるような今回の作品…
ヒットするかどうか、公開後の動きも追いかけていきたいと思います!