仮想通貨も含む「フィンテック(Fintech、金融科技)」に関する法整備は世界各国で模索の真っただ中ですよね。
日本でも昨年、仮想通貨に関する法律(改正資金決済法)が施行されたところですが、世界中のさまざまな動向を前例としながら、少しずつ法整備が進んできている感じがします。
(2018年7月15日追記。「もくじ」とkazのページへのリンクを付けました)
・「金融科技發展與創新實驗條例」
・「監理沙盒」
・台湾での「金融科技(フィンテック)」の可能性
台湾でも少しずつですけれど、法整備の動きがいろいろな形で進んでいるようです。
特に、2017年12月に立法院を通過し、2018年1月に公布、4月末に施行を控えている新しい法令があります。
名称を「金融科技發展與創新實驗條例」といいます。
法律の条文は、こちら。
無理やり直訳すると「フィンテックの発展と創造実験条例」というようになりますが、日本でも「改正資金決済法」が「仮想通貨法」と通称されることもあるように、この法律も通称名があります。
それが「金融監理沙盒」という名称です。
「監理沙盒」は英語で「Regulatory sandbox」となっています。
「監理」は「規制」や「制限」というニュアンスのある表現ですが、台湾ではいわゆる「運転免許センター」のことを「監理站」や「監理所」といいます。
法令に基づいて道路・交通を所管しているというイメージですね。
また、「沙盒」は日本語で言う「砂場」ですね。
中国語では「砂」のことを「沙」で表現します。いわゆる「砂浜」「ビーチ」のことを「沙灘」と言いますね。
「レギュラトリー・サンドボックス」とは、いわゆる規制緩和の一環で、政府が規制の枠組みでは捉えきれない新しい事業を育てたい場合に、一定期間、該当事業に対して試験的に規制を適用せず、その結果を基に、新たな事業を含めた規制の見直しを進めていく政策のひとつのようです。
もともとはイギリス発祥の政策で、その後、旧植民地だったシンガポール、オーストラリア、香港で実施され、台湾は5番目の実施、イギリスの植民地ではない地域では初めて実施されるとのことです。
これは仮想通貨だけに限らない「フィンテック」全般にかかわる法令ですが、台湾では仮想通貨の発展にかかわる法令として捉えられているようです。
たとえば、台湾のニュースサイト「Knowing新聞」の以下の記事。
記事でインタビューに応えている許毓仁さんは、TEDxTaipeiの共同創業者のひとりだそうで、同時に立法委員(日本でいう国会議員)でもある方です。
立法委員として「數位經濟基本法(デジタル経済基本法)」の成立に向けて尽力されているようです。
インタビュー中、「目前的問題是,政府有辦法與虛擬貨幣共存嗎?(目下の問題は、政府と仮想通貨とが共存する方法はあるのか?ということ)」と語られているように、その「共存」の可能性を模索していることが伝わってきます。
こうした方が法整備の要職にいて尽力されている様子を見ていると、台湾での仮想通貨をめぐる環境も着実に整えられていくように感じます。
まだまだ仮想通貨に対しては懐疑的な人が多いようですが、歴史的・社会的な背景から、もともと投資には熱心な人が多い台湾ですので、一度火が点くと普及まであっという間かもしれませんね。
kazの記事一覧はこちらです。(下のアイコンからもご覧いただけます)
台湾の仮想通貨取引所の状況についても記事を書いています。
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