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こんにちは!ALIS怪談?部 部長 ジョシ校生蟻巣です。
ALIS怪談部はカテゴリ解放前に発足した部活動で、主にALIS Supporters Discordにて活動をしています。興味がある方はのぞいてみてください。別に雑談でも大丈夫です。というかほぼ雑談しかしていません。たまに怪談FESをやってるよ!
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さてALISのお兄ちゃん・お姉ちゃんは中学や高校で日本史を学んだことがあると思いますが、今昔物語って覚えていますか??
『今昔物語』には、平安末期に書かれたとされ、1059もの説話が収められており、小説家の芥川龍之介も、『今昔物語』から多くのヒントを得たことで知られています。有名なのが、『鼻』そして『羅生門』ですね。羅生門なんかは怪談テイストバッチリですよね。
さて今回は『今昔物語集』巻二十七の十四「東国より上る人、鬼に値う語」という話を紹介したいと思います。この話雰囲気がすごく好きなんですよね!原文と現代風にアレンジした版でお話ししますね〜!
原文
今は昔、東の方より上りける人、勢田の橋を渡りて来ける程に、
日暮れにければ、人の家を借りて宿らむとするに、其の辺に人も住まぬ
大きなる家ありけり。萬の所皆荒れて人住みたる気なし。何事に
よりて人住まずと云ふ事をば知らねども、馬より下りて、皆此処に宿りぬ。
従者どもは下なる部屋に馬などつなぎて居ぬ。
主は上なる所に皮など敷きて、ただ独り臥したりけるに、
旅にてかく人離れたる所なれば、寝ずしてありけるに、
夜うちふくる程に、火をほのかにともしたりけるに、
見れば、本より傍に大きなる鞍櫃(くらびつ:鞍を入れる箱)の
やうなる物のありけるが、
人も寄らぬにこほろと鳴りて蓋の開きければ、怪しと思ひて、
これは若し此処に鬼のありければ人も住まざりけるを、
知らずして宿りにけるにやとおそろしくて、逃げなむと思ふ心付きぬ。
さりげなくて見れば、其の蓋細目に開きたりければ、
漸く広く開くやうに見えければ、此は定めて鬼なりけりと思ひて、
忽ちに急ぎ逃げて行かば追ひて捕はれなむ。
然ればたださりげなくて逃げむと思ひ得ていはく、
「馬どものおぼつかなき見む。」と云ひて起きぬ。
然れば、みそかに馬に鞍取りて置きつれば、這ひ乗りて
鞭を打ちて逃ぐる時に、鞍櫃の蓋をかさと開きて出づる者あり。
極めておそろしげなる声を挙げて、
「己はいづこまで罷らむとするぞ。我此処にありとは知らざりつるか。」
と云ひて追ひて来たる。
馬を馳せて逃ぐる程に、見返りて見れども、夜なれば其の体は見えず、
ただ大きやかなる者の、云はむ方なく怖ろしげなり。
かく逃ぐる程に勢田の橋にかかりぬ。逃げ得べきやうおぼえざりければ、
馬より踊り下りて、馬をば棄てて、橋の下面の柱の許に隠れ居ぬ。
観音助け給へと念じてかがまり居たる程に、鬼来ぬ。
橋の上にして極めて怖ろしげなる声を挙げて、
「いづこに侍る侍る。」と度々呼びければ、いみじく隠れ得たり
と思ひて居たる下に、「候ふ。」と答へて出で来る者あり。
それも暗ければ何物とも見えず。
とある男が東国の田舎から都を目指して旅をしていました。
勢田橋を渡ってきたところで日が暮れてしまったので、
どこかで宿をとろうとあたり探していたところ、
荒れ果てて人も住んでいない大きな家を見つけました。
寝るのにちょうどいいと思った男は馬を繋ぎ、
床に皮などを敷いてひとり横になっていましたがなかなか眠れません。
やがて夜が更けていきます。
寝付けない男が部屋の片隅に目を向けると
部屋に置いてあった大きな箱がひとりでに「ごほろ」と鳴って
蓋が開いたのを見てしまいました。
「もしかして鬼が住んでいるから空き家なのでは無いか!?」
と怖くなった男は、さりげなく逃げようと
「馬の様子をみてこよう」といって部屋を出ます。
そうこうしている間に、箱の蓋がどんどん開いていくように見えたので、
男は怖くなって馬に這い乗って鞭を打って逃げようとした瞬間、
箱の蓋を「がさ」と開けて何者かが出てきました。
その者は恐ろしい声をあげて
「貴様は何処へ逃げようというのだ。私が此処にいたのを知らなかったのか」
と言って追いかけてきます。
男は馬で逃げながら後ろを振り返って見たが、
夜中であったのでその者の姿は見えず、ただただ恐ろしくなります。
そして、勢田橋まで逃げ戻りました。
男は馬を乗り捨て、橋げたの柱のもとに隠れます。
「観音様、助けて下さい」と念じながら体を縮めて潜んでいると、
何者かが橋の上にやってきました。その者は恐ろしい声をあげて
「どこにいる」と幾度か呼びかけたがどうやら見失ったようです。
これは隠れ切ったなと思っていた矢先、男の傍で「おりますよ」と声がした。
真っ暗で何も見えないのに。
(以降2ページ白紙)
(以下欠文)
いかがでしょうか?この続きが書かれていないというところが不気味さがあって大好きジョシ!私は幽霊などみたことはありませんが、ストーリーとしての怪談がすごい好きなんですよね!特に古い怪談は何とも言えない怖さがありますね。以上で終わりです。