前記事の続きです。https://alis.to/kplusq/articles/3NjO5Be86d60
分散とは力の均衡によって成り立つんじゃないかと思うようになりました。
例えば、
10000人の参加者がいても、1人の力が突出してるなら、勝負は決まっていますし、分散してるとはいえません。
10人しか参加者がいなくても、10人の力が同等ならば、誰が勝つかは分かりません。
ビットコインは、ウサイン・ボルト級の実力者がゴロゴロ参加しているので、上位層に限ると力は均衡し分散してるといえるでしょう。
だけど、参加者は大会参加のメリットを常に要求するわけで、同日程の別の大会の方にメリットを感じると、予告もなくそちらに移ることになります。
ビットコインは、難易度調整が自動的に行われるところも特徴の一つです。
つまり、世界最高レベルの大会だったはずが、参加者のレベルに応じて、国内大会にも地方大会にも変化するということです。
面白いですね。
ただし、この変更タイミングで均衡は崩れる可能性があるので、分散性もまた弱まると考えられます。
さて、限られた席数に対して、その勝者を決める方法として、実力主義な陸上競技を例えに挙げましたが、もうひとつ代表的なものがあります。
それは、選挙。DPoSですね。
Liskを例にして考えてみましょう。
PoWのビットコインの場合、勝者(マイナー)は常に1人です。大会は約10分おきに開催されます。
DPoSのLiskには、勝者(デリゲート)が101人います。選挙は約17分おきに実施されます。
PoWの場合は、一番強い人が勝者という明確な基準があるので、参加者の実力が均衡していないと分散性は保てません。
「ブロック生成能力=生成権を獲得する力」
なので、同等能力を持つライバルがいない場合は、権利を独占できます。
DPoSの場合、デリゲートに選出されてからやることは全員同じなので、101人の実力は均衡・分散してるといえます。(突出した力を持っていても意味がありません)
問題は、選出プロセスですね。
民主的な選挙を期待したいところですが、
ブロック生成権を獲得する力は、やはりお金の要素が大きいのは否めない。
とはいえ、当選するための票を買い占めるというのは実質的には不可能に近いし、そもそもそれだけの経済合理性はないといえます。
コミュニティによる選出基準も厳しくなっていますから。
なお、開発主体のHQが初期の発行権利を利用して力を独占してるなら大問題ですが、デリゲートの選出には一切関与していません!
ちなみに、現状で当選に必要な票数は約3000万LSKですが、
コインチェックが約1000万LSK
エリート総票も約1200万LSK
と言われています。(エリートは減ってるかも)
最大の権利者でも全体の10%ほどの力ですから、十分に分散してるといえるでしょう。
むしろ、問題は投票に対する無関心です。約半数の力が投票せずに放置されています。
せっかくなので、カルテルについても触れておきましょう。
かの戦争時代、エリートメンバーと議論しましたが、彼らはよく言ってました。
「自分たちは一枚岩のグループじゃない」と。
それは言い訳だと思っていましたし、何よりも外面的なイメージが悪すぎるので、とにかく何か手を打ってくれと頼んだりもしたのですが…
カロリーナによる批判に始まり、カルボナーラの脱退。さらに最近の脱退ブームを見ると、どうやら本当だったようですね。
もはや彼らにネットワークを支配する力はないんじゃないかと思います。というか、そもそもなかったかも。
仮にあったとしても、ネットワークに与える害は限定的だろうし、そもそも攻撃は合理的ではありません。
さらに、BFTや新DPoSの導入によって、ネットワーク自体が頑強に進化していきますからねー!
(新DPoS導入時には注意が必要かもしれません)
PoWは諸々の条件が揃い、その状態が保たれるという前提のもとでは、公平なパブリックチェーンとしては最高の環境かもしれません。
ただ、それは神のみぞ知るという世界です。
DPoSはある意味、人的にその環境を作り出そうという取り組みです。
Liskについては、まだまだ問題が山積みですが、
価格低下のなかでもプロジェクトを支援しつづけるコミュニティの質はどんどん良くなっていますし、開発も順調です!
さて、Liskのどこを叩こうかな…
(記事執筆時の個人の意見です)