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Lisk 解説レポート② 〜使い途〜

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  • kplusq
  • 2020/01/29 08:36

このシリーズでは、Liskの特徴をいろんな観点からご紹介していければと思っています。
前回は「開発体制」がテーマでした。

今、リスカーの間では、万博おじさんからの挑戦状の話題で持ちきりです。

なので、今回は予定を少し変更して、Liskの「存在意義」について考えてみたいと思います。少々重ためのテーマですが、Liskの可能性を考えてくれるリスカーが一人でも増えてくれると願って…もちろん、あくまで個人的見解です。

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https://www.delphitools.info/DWSH/

Liskは「ブロックチェーン」アプリのプラットホームとなる「ブロックチェーン」です。

なので、「ブロックチェーンとはどんな技術」で「Liskはどんな用途に使えるのか」を理解しておきたいところです。
 

ブロックチェーンの意義

システムやアプリケーションには、それぞれシンプルな目的があります。
例えば、データベースならデータを保存したいとか、エクセルなら表計算したいとか…

では、ブロックチェーンの目的は何でしょう?

データを記録するだけなら、普通にデータベースを使うほうが効率が良さそうです。(データベースもそれぞれ特徴や使い途は異なりますが。)

それでも、ブロックチェーンを使うのには理由が必要です。それは、

「データの透明性を高めたい」

で十分だと思います。

決済手段としてのブロックチェーンは「価値の客観性」を追求していると言えますが、「データの透明性」を起点にしておけば、そういう一歩踏み込んだテーマも分岐の一つであることに気づけます。

それでは、どういった場面でブロックチェーンを利用すべきか考えてみます。
 

ブロックチェーンが活きる社会

ブロックチェーンはインターネット以来の発明と言われることもありますが、大げさな話ではないと思っています。それは、「新たな公共」を生み出す手段になるからです。

中央集権自体は否定の対象ではありませんが、過度な集権はやはり避けるべきでしょう。
理論的にはどんな思想・設計にも長短ありますが、感覚的に一極集中には危うさを感じます。

大事なのは、「ブロックチェーンを使うこと」ではなく、「分散させること」です。

いわゆる「それブロ(それブロックチェーンじゃなくて良くないですか?)」は、既存の価値観に偏った考え方ですが、これからの社会は多様性・小規模コミュニティの時代になっていくでしょうし、柔軟な発想でその可能性を追求することに意味はあるはずです。

この「新しい公共」は2種類あると考えられます。

1つが、公(国や政府)を超越する公共。
もう1つが、公(社会)と私(個人)の間にある公共。

新しい公共① > 公 > 新しい公共② > 私
というイメージです。
 

「新しい公共①」

トラストレスやパーミッションレスが必須となる「非中央集権」な公共です。いわゆる「パブリックチェーン」の世界ですが、ここに該当するプロジェクトはまだ無いと思います。

全世界の人が問題なく利用できるほどにスケールしているパブリックチェーンは現時点では思い当たりません。多くのプロジェクトがそのポジションを狙っているでしょうが、勝ち残るのは多くても2,3程度じゃないかと思います。

「それブロ」問題以外に、「パブリック以外不要」論もよく目にします。
確かにサトシ論文発の「パブリックチェーン」はパラダイムシフトの起点となるでしょう。非中央集権は人類にとって理想的な社会かもしれません

ただし、そこは「リスクのない世界」ではなく「リスクを自己管理する世界」です。
依存から自律に向かうイデオロギーであって、トラストレスをトラストしたことで不具合が生じても、自己責任を覚悟しないといけません。

テクノロジー的にスケールできておらず、イデオロギー的に公に受け入れられていない時点で、パブリックチェーンを語るのはまだ早いし、限られたコミュニティによる身内感を脱していないのが現状ではないでしょうか。

個人的には、現実的にスケールし、かつ一般の人が安心して利用しやすい技術革新を起こしているBitcoinSVが最も「パブリックチェーン」に近いと思っています。
(BSVを取り上げることを快く思わない方もいるかもしれませんが、基本的にLiskとBSVは競合しないと考えています。)
 

「新しい公共②」

こちらは「分散型社会」の礎となる公共です。一言でいうとコミュニティ(共同体)ですが、重要なのはトップダウン型中央がないという考え方です。

そもそもコミュニティ活動はパプリックとプライベートの間といえるので、概念的に目新しいものではありませんが、「透明性」や「つながり」を意識することで、より社会的な意義を広げることができます。「新しい価値」が生まれるといってもいいでしょう。

ブロックチェーンと相性がいいと言われている「シェアリングエコノミー」も新しいコミュニティの形ですね。「DAO(自律分散型組織)」という新しい組織形態もあります。

働き方も多様化していくわけですから、今後はコミュニティの役割も見直されていくでしょう。
僕自身、Liskやいくつかのクリプトコミュニティに属して世界中の人と繋がるようになって、その意義を実感しています。

コミュニティ内部の透明性は大切だとしても、自分たちの私的空間に外部から簡単にアクセスされるのは避けたいでしょう。
ブロックチェーンといえど、必ずしも全データ公開というわけではありません。公開・非公開のあり方については自由に設計すればいいことです。

つまり、(完全な)トラストレスやパーミッションレスは必須条件ではありません

内部に利害対立のない仲良しグループで利用するブロックチェーンは「それブロ」かもしれませんが、この「プライベート」なチェーンと、上の「パブリック」なチェーンとの間には、様々なケースが考えられます。

A.プライベートな領域での価値交換に対価は必要ありません。
B.プライベートな領域を超えた価値交換は対価が必要です。

さて、コミュニティ内での価値交換は、A/Bのどちらに該当するでしょうか。
ここに、パブリックやプライベートという線引きをしてしまうことの弊害があります。その境界の中に閉じ込められ、見落とされてしまっている価値が沢山あるはずです。

この境界線は様々な場所に存在します。これを取り除くことができると価値に流動性が生まれます。分担・分業・共有・協働が「新しい価値」の源泉です。

これを読んでくださるリスカーな方は既にお気づきでしょうが、Liskはこの「分散型社会」な考えにピッタリのプラットホームです。
 

Liskの使い途

まずイメージしやすいのは「コンソーシアムチェーン」でしょう。
「コンソーシアム」は企業と企業とをまたいだブロックチェーンの利用方法ですが、これも私企業間にある境界線を乗り越える取り組みといえます。

個人的には、企業と企業にとどまらず、企業と従業員、企業と顧客という境界線も薄まっていくんじゃないかと期待しています。(敵味方・善悪・教師生徒・上司部下みたいな2元論的な線引きは多様化社会には向きません。本来、世の中はもっと複雑です。)

メリットは「コンソーシアム」な情報共有だけではありません。

価値の見える化

Lisk DPoSのデリゲート登録は、LSKを支払うことで完了します。公約はあくまで事前の約束事です。つまり誰でも立候補できるということです。(しかも複数…)
これはあくまで例ですが、コミュニティ内の貢献度が見える仕組みがあったらどうでしょう。立候補するには一定の貢献ポイントを上回る必要があるとしたら…?

貢献ポイントの売買には賛否ありそうですが、金銭的な価値だけでなく、貢献度が見える化されると、みんなの意識がコミュニティに向く回数も増えるんじゃないかと思います。
貢献を応援する側は、少額であっても支援の気持ちを示すことが貢献につながります。

マイクロペイメント

数円単位のような小さな価値のやりとりは、従来の決済方法では現実的ではありませんが、どんなに価値が小さくても交換可能にするのがマイクロペイメントです。
また、サブスクリプション型の課金モデルよりも、もっときめ細かい設定でのサービス提供も可能になるでしょう。小規模な事業者にとっては、新しいビジネスモデルのチャンスになるかもしれません。

ガバナンス

ガバナンスとは「統治のあらゆるプロセスをいう。関係者がその相互作用や意思決定により、社会規範や制度を形成し、強化し、あるいは再構成していく。by wikipedia」 です。

既存社会の組織におけるガバナンスは当然オフチェーンです。このガバナンスの一部をプログラムによって管理する(=オンチェーン)のが、ブロックチェーン的な考え方です。

「オンチェーン」とは、プロトコルによって管理される世界です。つまりブロックチェーンのシステムに組み込まれたルールによってプログラムを実行・記録します。
「オフチェーン」は、ブロックチェーンの外側で何かを実行・記録することです。

予めシステムに組み込むわけですから、公正さや客観性が得られます。
パブリックチェーン的に考えると、ここに中心的な何かがあってはいけないということになりますが、現実的に考えると、権限や責任が分散されるだけで十分に効果があると思います。

インターオペラビリティ

コミュニティ内で生まれた価値を、コミュニティの中だけでなく、他のコミュニティとの間でも交換できるようにする。

これが「インターオペラビリティ(相互運用性)」の目指す世界です。

インターオペラビリティを成立させるには「オンチェーン」であることが絶対条件です。
上記のガバナンスが信用できるからこそ、コミュニティ間の境界線を乗り越えて、価値を交換することができるようになるわけです。

コミュニティ規模は関係ありません。プライベートに近い閉鎖的なコミュニティであっても構いません。ブロックチェーンのルールに則ったシステムにしておくと、いつでも他のコミュニティと交換可能な仕組みを作れるのです。

このインターオペラビリティが当たり前に利用可能になると、ブロックチェーンの革新性は一気に社会に浸透していくことになるでしょう。

Liskの最大のメリット

この新しい公共②に適したプロジェクトはもちろん他にもあります。
ただ、システム構築の容易さ、手軽さという点では、Liskは圧倒的に優位であるといえるでしょう。

上で挙げた用途以外にも、NFT(権利証明書)やスマートコントラクト(契約自動実行)もブロックチェーンのユースケースとしてよく目にします。現Liskはそういう機能を標準装備していませんが、必要に応じて簡単にモジュールをつくることもできるのです。

前回、Liskはウェブシステムの影響を受けているという話をしましたが、これがLiskにとって大きな強みになります。詳しくは、また別の機会にしたいと思います。

まとめ

長くなってしまったので、今回はここまでにしておきます。まだ完全に考えがまとまっていないので、乱文になってしまいましたm(_ _)m

投機家的に考えると、コミュニティに属しているつもりなんてないし、儲かればどのプロジェクトでもいいし、何ならブロックチェーンなんか関係ないよってことだと思います。
LSK保有者だからといって、必ずしもリスカーではないのかもしれません。

ただ、一般社会の人たちやビジネス層がブロックチェーンの必要性を感じるようになれば、自ずとLiskの存在感が高まっていくことでしょう!

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