タイトルにも書いてある通り、ブギーポップシリーズです。6冊目にあたります。
妖怪が生まれた訳を書いた話です。
ブキーポップ自体世紀末や不況や、何かが起きそうな予感によって呼び起こされた世紀末自体がモチーフの妖怪の物語だと私は思っています。
2019年アニメ化したのに大好きなペパーミントの魔術師はやってくれなかったので、ここに書こうと思います。
ペパーミントの魔術師はブギーポップと名前は書いてありますが、この作品、ブキーポップはわずかしか出てきません。
というより、ブキーポップという妖怪の話は1冊目、ブキーポップは笑わないで終わっているので、表紙は飾りますがブギーポップはあんまり派手には動けないんです。
作品が続くほど出番が少なくなるブギーポップ
なのに作品はイキイキと脈動を続ける不思議な作品でした。
ブギーポップというよい脇役がいる全然別の話。そう考えてもらっていいと思います。
ブキーポップには共通するテーマがあります。
都市伝説と友情です。
あとポップか。
ものすごい価値のありそうな、でもフタを開けたらガラクタだったり、わざとガラクタのふりをしたり。
そんなポップをさらりと描くのが上手です。都市伝説という不確かなものの中に、でもそこに確かにあるものを書いています。
浮かび上がるものが適当で無価値であればあるほど派手にハジケて感動を呼ぶ。
だからブキーポップという作品は意味を書こうとした瞬間に、作品の魅力がハジケてしまったのではないかなぁと感じています。
10冊目以降からこのシリーズは失速します。ブギーポップ(不気味な泡)という魔法が解けたからかなと思います。
だからこそペパーミントの魔術師は題材としてうってつけだったんじゃないか、だから私は一番好きなんじゃないかと思います。
アイスを作る化け物
栄養にならず冷たさと甘みで魅了する快楽のみの食べ物アイス。
カロリーしか残さないそれはまさにポップな魅力のつまったお菓子。
だからいい。
つまりこの作品はブギーポップと似たような全く別の路地裏の妖怪を1匹産み出しただけの話、ブギーポップは笑わないのセルフオマージュのように感じます。
なら私はなぜこれほどこの作品が好きなのか。
ブギーポップよりペパーミントの魔術師の方が意味がないから。
意味がないことに価値がある。
意味は言葉の本質ではあるけれど、それだけを並べられるとウンザリしてしまう。
派手なだけで価値のない文章が並んでいるだけではむなしくなる。
この作品は居たらちょっと世界が楽しくなるけど価値のない妖怪を産み出したという都市伝説。
ただちょっとだけ読む前より楽しくなっている。
それだけの話です。