2022年の日本で「神」というと何を意味するのかなぁ。私が指導させてもらっている中高生たちなら「特定分野ですごく秀でた人」のことだろうな。中年になると
「神なんて妄想を抱いているヤツは怪しい」
となるかもしれない。オウム事件などが影響している。もっと年齢が上がると
「絶対的な存在っているかも」
と思い始める人もいるようだ。人間の運命なんて「親ガチャ」と呼ばれるように自分でコントロールできないからね。
アインシュタインのような天才物理学者でさえクリスチャンで、神を信じているのはどうしてだろう?不思議じゃないですか。その答えは、アメリカのBYU(ブリンガムヤング大学)の物理学教授の家でホームステイしている時に少し分かった。
たとえば、万有引力の法則のような絶対的な法則を発見したと思ったら、それはミクロやマクロの世界ではどうも通用しないらしい。人間の知性には限界があるんだ。
ノーベル賞の山中教授も細胞は面白いと言ってみえたけれど、細胞ひとつさえ作り出せないと嘆いてみえました。
SFの世界では、私たちの住む世界をタテ・ヨコ・高さの3次元として時間という4番目の次元があるのではないかとして4次元の世界をテーマにすることがある。あるいは、高等数学を用いてこの世には10の次元があると証明した人がいるとも聞いた。
でも、本当は10万次元あるかもしれない。そんな世界のことは、人間の頭脳の限界をはるかに超えてしまう。
人間は4次元の世界を想像し、あれこれ考えるのが限界ではないのかな。ちっちゃい数字なら扱えるけれど、巨大な数字になるとお手上げです。
そもそも、この世がカオスではなく数式で説明できる多くの法則が存在するほど秩序正しい世界であるのは何故か?この世は、神のような絶対的な存在が作り出した仮想空間のようなものだ。そう考える人が現れてきている。
そういう世界観のもとで、受験勉強を考えると受験がニッチな世界であることがよく分かる。全知全能の神がいたとして、神なら医学、理学、文学、心理学など全てを見通しているはずだよね。そういう分野の一つを学ぶために大学に行く試験の対策なんて本当にちっちゃい話だ。
私はそういう認識でいるので、英検1級がどうした、京大二次試験で8割とったなんて受験生と以外には意味がないと分かっている。
アメリカの中学校で教えているとき
「織田信長を知っているか?」
と、尋ねたら誰も知らない。どんな偉業を成し遂げた人も、他国の人にとっては関心がない。そのうちビル・ゲイツも忘れ去られる。前回のオリンピックで誰が金メダルを取ったか記憶にありますか?私は全然ない。興味がないんだもの。
権力であろうが、お金であろうが、体力であろうが、頂点に昇り詰めても本人がいい気分なだけで他人はあまり興味がないのが現実。受験生は全国模試で1番というと大騒ぎするが、それが誰かは誰も知らない。興味がない。どうでもいい類の話。みんな自分の損得に関係ないと本気では興味を持たないもの。