「事業復活支援金」の申請で起こったこと(シングルマザーの場合)
私の知人はシングルマザーで小さな個人塾をやっている。詳細は知らないが、小学生や中学生に英語と算数を指導しているらしい。ところが、コロナで生徒が集団指導の塾を避ける傾向が続いている。それで、事業復活支援金を申請することを考えたらしい。
ネットに疎いものの何とか申請したら、修正依頼がきたらしい。話を聞くと青色申告なんだけど、民商という組織の助けを借りて確定申告をしているらしい。売上は年間の分だけ記載でもう何十年もやってきたらしい。税務署が何も言わないから問題はないと信じていたそうだ。
ところが、コールセンターで尋ねたら修正が必要でその修正が正しいものであることを証明するために税理士の署名と捺印が必要と言われたそうだ。彼女と小さな子供との生活を守るために必死な思いで近所の税理士さんに電話して確認したらしい。
でも、すべて断られたそうだ。そりゃ、そうでしょうね。税理士は
「普段お付き合いのない方はお断り」
と同じ言葉を伝えたらしい。お金を払ってくれるお客様はサービスするけど、どこの馬の骨とも分からぬヤツに手を貸すいわれはない。
そこで、彼女はコールセンターに事情を伝えたそうだ。すると、
「税理士の署名・捺印がないと受付ができないと皆さんにお伝えしています」
の一点張りだったらしい。公務員は融通が効かないのだから当たり前の対応ですね。
でも、彼女は食い下がって
「税理士ではなく商工会とか市役所とか税理士以外の選択肢はないのでしょうか?」
と突っ込んだらしい。考えてみたら、イータックスとか言って自分で税金の申告ができると宣伝しておいて(税理士との関係を断たせて)、こういう時は税理士のハンコが必要なんて“だまし討ち”みたいだよね。
結局、
「月別の売り上げの証明ができない人は白色申告で申請される方もみえます」
と告げたらしい。それも、
「私はそういう人もみえますとお伝えしただけで、推奨はしておりません」
と、責任回避の言葉も付け加えたそうだ。
ほとんどの人は、この言葉まで行き着かずに諦めたのではないかな。国はできもしない規則を作って申請できないようにしているとしか思えないね。私は個人的に彼女を知っているから、詐欺とか不正には無縁だと分かる。でも、国は批判を恐れて救うべき人に手を差し伸べない。
こんな現場の声は、霞が関の官僚にも、国会議員にもとどかないもんね。彼女、大丈夫かな。まじめにコツコツ働いていても食っていけない。コロナさえなければ、彼女の財政は破綻しないほどの講師だよ。それでも、自己責任なのかな。おかしいなぁ。