「教育学」は「医学」や「数学」のようには信用できません。
自分の娘が「治験に参加してよいか?」と尋ねてきたことがあった。よほどお金に困っているのだろうと推測した。それで、お金は送るから治験は止めた方がいいと言っておいた。新しい薬というのは何かの副作用が出たら困るからだ。製薬会社がお金を払うのは、少しでも副作用があった場合に備えているとしか思えないからだ。
命に関わる医学界は薬効があっても副作用が出たら人命に関わるかもしれないから慎重だ。後で訴えられるリスクもある。
翻って、私の生きている受験業界ーあるいは教育業界の現状はどうだろうか?一言でいうと「カオス」だ。悪く言うと「詐欺」まがいだ。医学界なら新しい術式が考案されたら、何度も安全性を確認して症例を積み重ねてゆく。
ところが、受験業界はどうだろう?ある塾は「コンシェルジュが相談に乗り、ハイブリッド授業を行い、AIが評価」という文句がチラシに書いてある。コンシェルジュは何をするのが職務なのだろう?ハイブリッド授業の中身の効果は?AIがどのような基準で何を評価するのだろう?
もちろん、そのような塾は集客のために意味の分からないハヤリの文句を羅列しているにすぎない。「〇〇講師の授業を受ければ20%成績アップ!」などという統計はどうやってとったか書いてない。ハッキリ言ってデタラメ。
デタラメである自覚なしに書いているのなら余りに無能だし、デタラメであると自覚して書いているなら詐欺で、どちらにしても宜しくない。自分がそういう業界で生きていることが恥ずかしいと思うことがある。
ただ、旧帝や国立大医学部を受験するような賢い子たちはその欺瞞に気づいている。だから、そういう生徒たちだけを対象に仕事をしようと決めたのは遠い昔のこと。