東京から新潟は遠い。でも、すっごく遠くにきたんだけど、力を持った作品というのは場所とか時間軸をあまり感じさせないというか、このメロンパス展が例えば10年後にフランスで開催されていても、違和感はきっとそんなにないだろうなぁ、という、そんな感じ。まさに個展のタイトル通り、ブラックホールに飛び込んできました。場所はざっくり言うと、だいたい日本海の辺りにあります。
メロンパスさんの文章はここでよくみていたので、表現のぼんやりとした雰囲気は知っているつもりだったけど、その場にきて、実物の作品を目の当たりにすると、鬼気迫る迫力がありました。結界をくぐって、作品群をバーッと眺めたときに、僕はそう感じました。あと戸板漫画の情報量が多すぎて笑います。本当にやばい。
結構僕は、こういう小物系の作品にもグッときました。好き。
メロンパスさんの作品は、全体的にごちゃごちゃして情報量が多くて少し息が詰まりそうになるんだけど、そこからは多様性や、弱さや、みっともなさや、もがいている様や、それ全部ひっくるめて生きるってことでしょ?全部美しいことなのだから、もっと気楽に、好きに生きようよ〜という優しくも、芯のあるメッセージを僕はぼんやりと感じました。そして、メロンパスさんご本人と会って、お話してみて、作品を介してメロンパスさんの優しい世界感というか、心の深層にダイブするような不思議な感覚を体験することもできて、とても楽しく、尊い時間を過ごすことができました。
今回、メロンパス展に行くための新潟一人旅の計画を立てるストーリー含めて、僕にとってのメロンパス展だったと思います。結果的に、メロンパス展より新潟の日本酒とご飯が美味しかった!とかでも、別にいいと思います。アートってそれくらい懐が広いものだと考えているし、たまには夏休みに一人の時間を作りたいな~みたいな方にもぴったりだと思います。そして何よりも、魂をすり減らしながら、新潟の地で作品を作ってきたメロンパスさんの作品群を、新潟のこの美術館でみることができるのは、2019年の8月25日(日)まで、です。無限とも思える程にエンタメの選択肢が増えすぎてしまった現代社会において、自分で決めた、メロンパス展にいってみる、という手作り感満載のエンタメは、僕にとってとても満足度の高いものでした。
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