4.「神社」の基本知識をご紹介~「神道・神社は日本古来の固有のものなのか1」

続いて「神道・神社は日本古来の固有のものなのか？」についてのお勉強です（笑）。投稿しながら、自分でも整理しながら勉強している次第です。
 

古代朝鮮半島からの渡来人が祀った（祀られた）神社が全国各地に数多く存在している。

ここでは、特に

「高麗神社」にフォーカスして

話を進めていきます。

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2017.9.20　昭和天皇明仁・美智子夫妻は、私的な旅行として朝鮮半島からの渡来人である高句麗の「高麗王若光（こまおうじゃっこう）を祭神とした「高麗神社」（埼玉県日高市）をご訪問されました。
それ以上の情報は推測の域を出ませんので事実確認のみに留めます。
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また、平城遷都1300年記念祝典平成22年10月8日の昭和天皇のお言葉として・・・

「・・・桓武天皇の生母となった高野新笠は続日本紀によれば百済の武寧王を始祖とする渡来人の子孫とされています。我が国には奈良時代以前から百済を始め，多くの国から渡来人が移住し，我が国の文化や技術の発展に大きく寄与してきました。仏教が最初に伝えられたのは百済からでしたし，今日も我が国の人々に読まれている論語も百済の渡来人が持ち来ったものでした。・・・・」by 宮内庁hpより。
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高麗神社近くの高麗川・巾着田の彼岸花（2009.9）

高麗家住宅・・・江戸時代初期の住宅を復元（国の重要文化財）と枝垂れ桜（ 樹齢：推定400年）（2013.3）

なぜここ日高市に、古代朝鮮半島にあった高句麗や新羅という国に関わる「高麗神社」があるのでしょうか？

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先に記した昭和天皇のお言葉で紹介したとおり「日本書紀」（720年）から77年後（797年）に完成した「続日本書紀」には桓武（かんむ）天皇の生母が百済の武寧王の子孫である、と記されているそうです。（日本書紀も続日本書紀も時の権力者に都合よく描かれていて、その真偽については様々な議論があるようですが、とりあえずこの記述を前提に話を進めます）

「続日本書紀」によると、桓武天皇（8～9世紀初め）の生母は高野新笠で、高野新笠の父は「和（やまと）と読む姓で、古代朝鮮半島にあった百済系渡来人だと記されているそうです。

渡来人＞4～7世紀頃に、中国大陸及び朝鮮半島から日本に移住した人々を指します。

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高麗神社（2013.3）

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更に続きます。この高麗神社のある地は、716年に設置された「武蔵国高麗郡」で、当時の7か国（駿河、甲斐、相模、上総、下総、常陸、下野）に住んでいた高句麗人1799人が移住したと記されています。（大宝律令701年「倭国」→「日本」に定められた直後になります）この高句麗の人たちが先祖を祀ったのが「高麗神社」でした。（2016年は高麗郡が創設されて1300年）

高麗郡をつくった時のリーダーが「高麗王若光（こまのこきしじゃっこう）」という人で、 若光は、666年（天智5年）高句麗よりのつかい（戦いの援軍をお願いするため）として、日本へやってきました。 しかし、668年（天智7年）高句麗がほろび、帰れなくなってしまいました。703年（大宝3年）、日本の朝廷より「高麗王」の姓を与えらえました。その時から「高麗王若光」と名のることになりました。歳をとって、白ひげをはやしていたので「白ひげ様」ともいわれたとの伝説も残っています。高麗人たちの渡来人は、大陸の進んだ技術や文化を伝えました。（日高市のhp）

白ひげ様→白髭神社は、現在の埼玉県の日高市を中心として、川越市、狭山市、入間市、飯能市、鶴ヶ島市には、約30社近く点在しています。白髭神社に関しては、いずれ、神社紹介にて投稿します。

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さて、更に各地の残る古代朝鮮半島由来の神社を紹介する前に、主に

「古代朝鮮半島と日本列島をめぐる歴史」

に焦点を合わせて見てみます。

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・紀元前1世紀～紀元後7世紀中ごろ・・・朝鮮半島「三国時代（高句麗・百済・新羅）」
・660年　「新羅」が「百済」を滅ぼす。
・663年　「百済残党・倭国」が「新羅・唐の連合軍」に敗れ、半島から撤退。
・665年　百済の男女400人余が近江国（滋賀県）へ。
・666年　百済の男女2000人余が東国（関東地方+山梨・静岡）へ。高麗王若光も。
・668年　「新羅・唐の連合軍」が高句麗を滅ぼし朝鮮半島は「新羅」に統一。
　　　　　倭国は新羅に「遣新羅使」を派遣。
・672年　倭国で「壬申の乱（じんしんのらん）」古代日本最大の内乱である。
・684年　百済人僧尼と男女23人が武蔵国へ。
・687年　高麗人56人が常陸国へ。新羅人14人が下毛野国へ。
　　　　　新羅の僧尼や農民ら22人が武蔵国へ。
・701年　「大宝律令」制定。「日本」
・703年　高麗若光に「王」の姓。
・712年　「古事記」完成
・715年　新羅人74家が美濃国へ移住
・716年　武蔵国高麗郡を設置。日本各地から高麗人1799人が移住
・720年　「日本書記」完成
・758年　武蔵国に羅郡を設置。新羅の僧32人、尼2人、男19人、女21人が移住。
・797年　「続日本書紀」完成

・927年　「延喜式神名帳」まとめられる。
・935年　「高麗」が「新羅」を滅ぼす。
・936年　「高麗」が「後百済」を滅ぼし、朝鮮半島を統一

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2017.9　吉野ヶ里遺跡

2017.9　吉野ヶ里遺跡

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さて、これらの歴史周辺から読み取れることは、

・日本列島の人口が急増したのは、稲作や青銅器・鉄器の製造技術を持った渡来人が日本列島各地に押し寄せた弥生時代（3世紀中頃まで）とされている。

・その後の古墳時代も活発な渡来と交流があった。

・百済から仏教が伝えられたのは6世紀半ば。

・高麗郡設置前後の7～8世紀にかけて千人単位の渡来の記録が残る。

・弥生時代の日本列島の人口は60万人近くとされているので、相当数の渡来人がいたことになる。

・これだけの数の人々（先進の技術と文化を持った人たち）が来れば、当然ながらただそこに暮らしていたという事はなく、「祖先を祀る」という古代朝鮮半島の伝統も継承されたであろう事が容易に想像できる。

・以上から日本固有と思われている神社の祭神に朝鮮由来の神々が多い理由が想像でき、実際に、それらの神社は全国各地に数多く存在している。

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2017.9　吉野ヶ里遺跡

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思ったよりもボリュームが出そうなので（まとめるのがヘタですんません^^;）、

5.「神社」の基本知識をご紹介~「神道・神社は日本古来の固有のものなのか2」
で続きを投稿することにします。

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「927年「延喜式神名帳」まとめられる」が出てきたので延喜式内社について・・

延喜式内社（式内社・式社）

延喜式神名帳に記載された神社、および現代におけるその論社を「延喜式の内に記載された神社」の意味で延喜式内社、または単に式内社、式社といい、一種の社格となっている。
本来「神名帳」とは、古代律令制における神祇官が作成した官社の一覧表を指し、官社帳ともいう。国・郡別に神社が羅列され、官幣・国幣の別、大社・小社の別と座数、幣帛を受ける祭祀の別を明記するのみで、各式内社の祭神名や由緒などの記載はない。
延喜式神名帳とは、延喜式の成立当時の神名帳を掲載したものである。延喜式神名帳に記載された神社（式内社）は全国で2861社で、そこに鎮座する神の数は3132座である。by wikipedia

延喜式神名帳に記載された神社には祭神名・由緒の記載は無いそうですよ。
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